脂肪の揉み出しマッサージは「部分やせ」は可能?

エステティックサロンなどで行っている「揉み出しマッサージ」「低周波」による「部分やせ」については、雑誌などで「可能」といっている記事もあれば、「不可能だ」と断言している記事もあります。

実際のところはどうなの??と思っている人も少なくないでしょう。医学的に見た場合、特定の部分の脂肪だけを取り除くことは不可能です。エステテイツクサロンの理屈では、「やせたい部分にマッサージや低周波の刺激を与えると、その部分の交感神経が活発になって、ノルアドレナリンというホルモンが分泌される。

それが脂肪細胞に働きかけ、中性脂肪を分解することができる」としています。たしかに、ノルアドレナリンは、脂肪を分解する酵素「リパーゼ」を活性化させる働きを持っていますが、ホルモン分泌の命令を出しているのは脳。ですから、マッサージの刺激に反応して、その部分だけ局所的にホルモンの分泌が高まるということはありません。

もっとも、マッサージをすることによって、一時的にサイズダウンすることは可能です。ただし、それは脂肪が分解されたのではなく、一時的にぜい肉が移動したり、むくみがとれただけのこと。時間が経てば元に戻ってしまいます。

では、揉みだしマッサージは、ダイエットにまったく無意味かといえば、そんなことはありません。マッサージを行うと新陳代謝が活発になりますから、エクササイズやストレッチの効果が出やすく、脂肪が燃えやすくなるのは事実です。

代謝がよくなたところでサルバチアダイエットなどを実施すればより効果的でしょう。

アミノ酸ダイエットの実力

ペットボトル入り清涼飲料水の爆発的なブームで、一躍脚光を浴びたアミノ酸。ダイエットにも効果があるといわれ、せっせと清涼飲料水を飲んでいる人がいるようですが、本当にアミノ酸をとるだけでやせられるのでしょうか。

アミノ酸は、蛋白質をつくつている最小の成分です。私たちの身体の細胞や、遺伝子情報のDNA も、すべてアミノ酸からつくられています。

このうち、人体の中で合成できないアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼び、食事などで補給する必要がありますが、現代の食生活では不足しがちだといわれています。
アミノ酸不足が慢性化すると、筋肉の発育不足を招き、脂肪代謝が低下して、血中コレステロールの増加や肥満の原因になります。

そこで、アミノ酸を補給することによって基礎代謝を活発にし、体脂肪を分解しようというのが「アミノ酸ダイエット」です。
十種類の必須アミノ酸のうち、特にダイエットに密接なかかわりのあるものは、アルギニン、リジン、プロリン、フェニルアラニンの4 種類。

これらを摂取すると、体脂肪を燃やす「リパーゼ」という脂肪分解酵素の働きを助け、効率よくやせられるというのが、アミノ酸ダイエットのメカニズムです。

しかし、アミノ酸を摂取するだけでは、やせることはできません。アミノ酸ダイエットは、運動とセットで行わなければほとんど意味がありません。アミノ酸を摂取して、リパーゼの働きを活発化しても、その後で運動をしなければ、分解された脂肪は元に戻ってしまいます。

アミノ酸ダイエットに効果的だといわれている運動は、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動です。アミノ酸は体内への吸収が遅く、30分ほどかかりますから、運動開始の30分前くらいにアミノ酸を飲むと効率的でしょう。

なお、アミノ酸飲料ではダイエット効果は期待できません。一般に、コンビニなどで売られているアミノ酸飲料は糖分が高いものが多いので、飲みすぎには十分注意しましょう。

体の組織づくりに必要なアミノ酸

ダイエットをしていても生理で体重が増える

女性の体重は、生理の周期に関係して、1ヶ月のうちにかなり変動しています。体重のもっとも低い時期は、生理のはじまる1週間くらい前で、そこから徐々に増えはじめ、生理が始まる頃に体重の増加はピークを迎えます。

このとき、多い人では体重が2~3kgも増えることがあります。その原因は、ホルモンバランスの変化。排卵後には、「プロゲステロン」というホルモンが多くなり、その分泌量が一定以上になると、体に脂肪や水分がたまりやすくなります。

そのせいで体重が増えるのです。といっても、この場合の体重の増加は、ほとんどが水分ですから、体脂肪が増加しているわけではありません。

時期が過ぎれば、体重は元に戻ります。一方、生理の前になると、やたらと食欲がわいて食べ物を我慢できないという女性もいます。「普段は食べないチョコレートやケーキなどの甘いものが無性に欲しくなる」という人も少なくありませんが、これは身体の正常な反応。実は、女性の場合、食欲も生理の周期によって左右されるのです。

では、生理前になると食欲がわくのはどうしてでしょうか。それは、生理前のイライラが原因と考えられています。糖質性の食べ物を摂取すると、脳の中にセロトニンという物質の分泌が増えます。この物質には気持ちをホッとさせる働きがありますから、生理前でイライラしているときは、甘いものが欲しくなるのです。

ダイエット中は、ただでさえ空腹でイライラしやすくなっていますが、特に生理のはじまる1週間前は「PMS(月経前症候群)」といって、だるさやむくみが生じたり、便秘になりやすく、神経も非常にビリビリしています。そんなときに、ムリなダイエットは逆効果。ドカ食いを招く原因になってしまいます。この時期は「ダイエットは小休止」くらいに考えて、ハードな食事制限は避けたほうがいいでしょう。