香りの効果でも痩せられる?

美容に興味をお持ちの方なら、大手化粧品メーカーから、「香りでやせられる」と評判のボディ用美容液が発売されたのはご存知でしょう。

発売当初、香りでダイエットできるなら使ってみたいという人が多く、大変な反響を呼びました。やせる香りとは、グレープフルーツやフェンネル、コショウなどの香りで、化粧品メーカーでは、これらの香りには、交感神経を活性化させ、中性脂肪が分解して生じる「遊離脂肪酸」という物質を燃やしてエネルギーに変化させる効果があるとしています。

しかし、肝心のダイエット効果はというと、その製品を使って劇的にやせたという話は聞いたことがなく、香りを喚いだり、皮膚から成分を浸透させるだけでは、みるみる脂肪を燃やすという「奇跡″」は起きないのが現実です。

ただし、やせるかやせないかは別としても、「香り」が人間の体や心に何らかの形で作用するのは事実です。アロマテラピーの作用を例にして説明しましょう。

エッセンシャルオイルの匂いは、まず、鼻の奥にある喚細胞と呼ばれるところへ届きます。その後、匂いは電気信号に変換され、嘆神経を介して「大脳辺練糸」へ送られます。ここは快・不快といった感情や、食欲などを司る器官ですから、香りの刺激によって、精神をリラックスさせたり、元気を出したりするという効果が得られます。

さらにその後、香りの刺激は2つのルートを辿ります。そのひとつは、脳の視床下部。ここは、体温や血圧などの調節、内臓の働きを調整する器官ですから、香りの刺激によって体に生理反応が起こります。また、もうひとつのルートでは、香りは大脳新皮質に伝えられ、「匂い」として認識されるという仕組みです。

さすがに匂いを喚ぐだけではやせることはできませんが、ダイエットに香りを利用するのは悪いことではありません。好きな香りを喚ぐことで、ダイエット中のストレスを緩和したり、マッサージオイルに使うなど、自分なりに工夫するといいでしょう。

ちなみに、グレープフルーツの香りは、アロマテラピーでは、気分をリフレッシュさせたり、リンパの流れを改善して、老廃物を体外へ排出する作用があるといわれています。

体の調子を整えるマッサージ

プチ断食はダイエットに有効か?

多くの宗教では、祈願や抗議、修行などを目的として、古くから断食を行ってきました。その歴史からみても、断食そのものは、特に健康を害する行為とはいえません。

とはいえ、ダイエットを目的とした断食と、宗教活動としての断食ではそもそも意味合いが違います。まして、断食に慣れていない日本人が、いきなり行うのは危険。それで、これまで「断食ダイエット」というのは、タブーとされてきました。

ところが最近では、本格的な断食ではなく、「プチ断食」というものが登場し、ブームを呼んでいます。そこで気になるのがダイエット効果ですが、これは専門家の間でも意見が分かれるところです。

効果があるという人もいますし、「ダイエットは長続けてゆっくり脂肪を落としていくのが基本」「プチであっても、断食は危険」と否定する意見もあります。

両者の意見は相反するように聞こえますが、ようするにこういうことです。「正しい知識を持って行えば、プチ断食はダイエットにもある程度効果を発揮する。ただし、劇的な体重の変化はのぞめない」と。では、プチ断食にはどのようなダイエット効果があるのでしょうか。

消費されずに余ったエネルギーは、脂肪細胞の中に蓄えられます。これが肥満の原因となりますが、人間の体は、それ以外にも肝臓や筋肉にグリコーゲンとしてエネルギーを蓄え、栄養が足りなくなると、こちらのほうを優先的に使います。

ということは、断食をして、肝臓や筋肉に備蓄されたエネルギーを先に使い切ってしまえば、脂肪を効率よく減らすことができるという理論なのです。

ただし、長期の断食はタブーです。脂肪だけではエネルギー源が足りなくなって、筋肉まで使われてしまうため、体力が落ちてしまいます。2日以上何も食べないような断食法は、絶対に行ってはいけません。

プチ断食の場合は、予備断食、本断食、復帰の3段階を3日間かけて行うソフトな方法ですが、知識のない人は専門家のもとで行うようにしてください。

なお、人によっては一度のプチ断食で体重がグッと減ることもあるようですが、それは体の水分が排出されて減っただけ。体脂肪がそんなに簡単に落ちることはありえません。いずれにしても、チャレンジしてみたい人は、ムリをしないように注意しましょう。

BOOCS ダイエットとは?

ダイエット中の最大の敵は、食べたいものを我慢するというストレスでしょう。ストレスがたまってくると、精神的なイライラから甘いものが無性に欲しくなったり、ちょっとしたことが引き金になって、ドカ食いを招いたりすることもあります。

そんなストレスとは一切無縁、好きなだけ食べてカロリー計算も不要という驚きのダイエットが、「BOOCS ダイエット」です。もちろん、「好きなだけ食べてやせられる」というのは単なる宣伝文旬で、実際にはそんなことはありません。

ただ、「あれもダメ、これもダメ」というダイエットではとても我慢できない人や、これまで何度もダイエットにチャレンジしたものの、リバウンドを繰り返している人の場合は、試してみる価値はあるでしょう。

BOOCS ダイエットには、天ぶらはダメとかケーキは禁止という厳しい規則はありません。そのかわり、「1日1食」を満足いくまで食べるというのが基本。食べるタイミングは、朝、昼、夜のどれでもかまわないようですが、落ち着いて食事ができる夕食がおすすめという点も、このダイエットのユニークなところといえます。

なお、他の二食についても絶食するのではなく、軽いもので済ませます。また、BOOCS ダイエットには三原則というものがあり、これもまたユニークです。

たとえば、たとえ健康によいこと(運動など)や、よい食べものでも、嫌ならけっしてしない(食べない)。嫌いな運動を始めたり、おいしいと思えないものは食べない。また、お酒やタバコなど、健康によくないといわれるものでも無理にやめることはない。

つまり、BOOCS ダイエットで禁止しているのは「我慢すること」だけ。すると、精神的なストレスが解消され、自然に脂っこいものや甘いものに手がのびることが減り、自ずと体重も減っていくという理論です。

一見、いいことづくしのダイエットのように感じるかもしれませんが、自己流で行うには危険が多すぎます。1日1食だけに比重を置いた場合、ほかの2食では、バランスのよい食事はとることができません。

また、「好きなものを食べていい」という部分を拡大解釈して、毎晩トンカツにステーキにフランス料理…などとやっていれば、ダイエット前より太ってしまいます。

そういう意味で、BOOCS ダイエットは、ある程度栄養素に関する知識を持っていて、バランスのよいメニューを組み立てられる人向きの方法といえるでしょう。