2015年 5月 の投稿一覧

その7 セレン ヨウ素 セシウム を除去 メタロチオネインはヨウ素やセシウムを除去する

セレン ヨウ素 セシウム を除去

その7 セレン ヨウ素 セシウム を除去 メタロチオネインはヨウ素やセシウムを除去します。メタロチオネインは、タンパク質ファミリーの一部であり、主に金属イオンを結合し、保持する役割を果たすタンパク質です。メタロチオネインは、特に亜鉛と銅の調節に関与しており、これらの金属イオンの細胞内濃度を制御するのに役立ちます。

水銀、鉛、カドミウムなど重金属を体外に排泄

セレンには、本来、体の中にあってはいけない重金属を体外に排出する作用があります。よく知られているのが、水銀や鉛、カドミウムといった体に害を与える重金属です。

また放射性のヨウ素、セシウム、ストロンチウムなどの重金属も除去します。いずれも福島原発事故で飛散した放射性物質です。この点からも、内部被曝の影響を防ぐのにセレンは役立ちます。

ではどのようなメカニズムで、セレンは重金属を除去するのでしょうか。1957年、馬の腎臓から重金属と結合するタンパク質が発見され、メタロチオネインと命名されました。

メタロチオネインは、動物にも植物にも含まれています。もちろん人間の体内にもメタロチオネインは存在し、とくに肝臓、腎臓、膵臓、小腸に多いのが特徴です。メタロチオネインは、セレン、亜鉛、銅らと含硫アミノ酸を原料として体内で合成されるので、これらの栄養素をきちんと摂取することが大切です。

また、メタロチオネインはセレンの刺激で形成されるので、セレンはとくに重要な栄養素といえるのです。細胞などに重金属や放射性物質を見つけると、メタロチオネインはそれらを捕まえて、解毒し、排出してしまいます。

またメタロチオネインには放射線によって発生するフリーラジカルや活性酸素を消去する作用があります。

血中セレン濃度が高いと甲状腺がんになりにくい

セレンによって甲状腺などにたまった放射線ヨウ素を取り除くことができれば、甲状腺がんの発症を防ぐ効果が期待できます。しかし、それだけでなく、セレンそのものにも甲状腺がんを予防する働きがあります。

健康な人の甲状腺はセレン濃度が高く、不足すると甲状腺ホルモンの障害が現れます。カナダ産のセレンの豊富な小麦を食べていた人たちが、ヨ一口ッパ産のセレンが乏しい穀物に切り替わったところ、セレンによって作られる酵素の活性低下にともない、甲状腺ホルモンの分泌も低下したことが報告されています。

甲状腺がんの患者43人の血液と健康な人の血液を比較した調査があります。それによると、甲状腺がん患者のセレン浪度は、健常者より明らかに低く、濃度が低いほど甲状腺がんが増加しました。

一方、チェルノブイリ原発事故では、甲状腺異常の予防のためにセレンが用いられ、効果を発揮したといわれています。前述しましたが、放射性ヨウ素の内部被曝を避けるには、ヨウ素(ヨード)をとる必要があります。同時に、セレンも十分にないと、放射線による甲状腺がんを防ぐことができないといえます。

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活性酸素 除去 セレン が必須 GPXという酵素の主成分、セレンが必要不可欠

活性酸素 除去

活性酸素 除去 セレン が必須 GPXという酵素の主成分、セレンが必要不可欠です。

活性酸素 除去 セレン が必須 GPXという酵素の主成分、セレンが必要不可欠 レンが作るGPXが活性酸素を無害化する

セシウムなどの放射性物質が含まれている食品を食べて、内部被曝すると、体内では活性酸素が多量に発生し、細胞を傷つけます。しかし人体には活性酸素を消去する酵素が備わっています。セレンはこの酵素の活性を高めて、抗酸化作用を発揮します。活性酸素を消去する酵素にはSODやGPXなどがあります。

セレンはGPXの主成分で、SODの生成にも必要です。細胞が酸素を取り入れると、必ずスーパーオキシドという活性酸素が生まれます。同時に体内ではSODが生成されます。スーパーオキシドは細胞を傷つけ破壊するので、発生と同時に消去しなければなりません。

SODは体内に生じたスーパーオキシドを過酸化水素に変換します。過酸化水素もまた、酸化によって細胞にダメージを与える活性酸素の1種です。この過酸化水素を無害な水と酸素に分解する酵素の1つがGPXです。
一方、スーパーオキシドや過酸化水素が、うまく消去されず、そこの近くに鉄や銅が存在すると、それらと反応して、今度はヒドロキシラジカルという極めて毒性の強い活性酸素が生まれます。ヒドロキシラジカルが発生すると、体内の脂質やタンパク質、DN Aなどと反応し傷つけます。反応すると、瞬時にヒドロキシラジカルは消えてしまうのですが、DNAが傷ついてしまえば、細胞が変異し、がん細胞に移行する可能性が出てきます。脂質やタンパク質が傷つけられれば、動脈硬化やアルツハイマー病など、老化による病気のリスクが高まります。

セレンを含むタンパク葺はグルタチオンを増やす

このヒドロキシラジカルの発生を防ぐには、SODとGPXがチームを組んで待機している必要があります。じつはスーパーオキシドは、SODがなくても、鉄と出合わなければ、自ら反応して5秒ほどで過酸化水素に変化するといわれています。そのため、過酸化水素を消去するGPXが、活性酸素を消去する最も重要な酵素ということになるのです。体内にGPXを増やすには、グルタチオンとセレンが必要です。グルタチオンは3種類のアミノ酸から作られる体内の物質で、体の中に入ってきた毒物を解毒する作用があります。またグルタチオンは、それ自身も抗酸化物質であり、フリーラジカルや活性酸素の反応を止める働きがあります。GPXはグルタチオンから作られます。

グルタチオンは消化器系からはほとんど吸収されませんが、セレンを含むタンパク質はよく吸収されます。したがって、グルタチオンやGPXを増やすためには、セレンを含む食品を積極的にとる必要があるのです。日本人の平均的なセレン摂取量はl 日100ugといわれています。普通の食事で、このくらいの量がとれていれば、正常なGPXが作られます。しかし現実に、これだけ摂取できているかは疑問です。

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