2018年 2月 の投稿一覧

糖尿病 予備軍 危険 予備軍という名の隠された危険

糖尿病 予備軍 危険

糖尿病 予備軍 危険 予備軍に隠されたリスクについて書いてみようと思います。一般的に多くの人は、境界型糖尿病ならまだ安心だと思っています。境界型糖尿病を、別名「糖尿病予備軍」ともいいます。この言葉、テレビコマーシャルや広告などでよく使われていますが、「予備軍」という響きが実によろしくないと思います。
この響きが、「まだ糖尿病ではないから安心」という印象を与えてしまうからです。

糖尿病 予備軍 危険

医師の中にも境界型糖尿病の患者さんに「よかったねー。まだ糖尿病じゃありません。これ以上悪くならないようにがんばりましょうね」と言います。でも、近い将来、医師がこんな説明をすると、あとで医師は、患者さんに訴えられる日が来るかもしれません。

あとで詳しく述べますが、糖尿病の大問題とは細小血管障害(腎臓、眼の網膜、神経に栄養を送る血管がやられる)を招きやすいこと。そして大血管病(脳梗塞や心筋梗塞)を起こしやすいということです。

最近の研究では、糖尿病と境界型糖尿病(糖尿病予備軍) においては、長く経過を追ってみると、この大血管病の起きやすさに差がないことがわかってきました。糖尿病予備軍の段階から、動脈硬化は糖尿病並みに進むのです。つまり、糖尿病と糖尿病予備軍の運命はほとんど同じなのです。ここに、2 つの大きな社会問題が浮上します。

1 つは、肥満のない人は特定健診では最初から引っかからないこと。特定健診は、メタポリックシンドロームの診断基準を採用しています。すると、肥満のない人はこの健康事業の網からもれてしまいます。ここにある地区の健診受診者339人(平均年齢約75歳)のBMIとヘモグロビンA1Cの関連を調査した最新データがあります。肥満ではないのに糖尿病、あるいは境界型糖尿病が疑われる人(BMI25未満、ヘモグロビンA1C 5.2 %以上)が6.9 %。そのうち、ヘモグロビンA1Cが正常でも糖尿病でもない糖尿病予備軍(BMI25未満、HbAI C5.2~6.1%% 未満)が最も多く、63% いました。

つまり太っていない糖尿病予備軍は 6 割以上いるのに、この人たちは特定健診に引っかからないのです。そして社会的にも、この診断基準は「太っていないから大丈夫」という大きな誤解を生み出しました。

しかしいまや、「日本人はやせたままでも、あるいはほんの少し太っただけでも糖尿病になる」。これが新しい常識です。太っていないからといって、安心はできないのです。もう1つの問題は、糖尿病予備軍には使える薬が少ないことです。糖尿病になれば立派な病気ですから、保険を使って手厚く治療することができます。ところが境界型糖尿病に使えるのは、α-GIという薬だけです。

いっそのこと糖尿病になってしまえば、思いきり治療できますが、境界型はできません。患者さんに、食事や運動でひたすらがんばってもらうしか方法がないのです。ですから境界型糖尿病と言われた人、「あーよかった」と喜んでいる場合ではないのです。
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糖尿病

ヘモグロビンA1C 5.2 % は安全領域と言えるのか

ヘモグロビンA1C 5.2 %

ヘモグロビンA1C 5.2 % は安全領域と言えるのでしょうか。14年前の2010年、糖尿病の診断基準が大きく変わりました。以前は参考所見だったヘモグロビンA1Cが、診断基準として加わりました。ヘモグロビンA1Cの数値が糖尿病を診断する際に重要な条件となったのです。

ヘモグロビンA1C 5.2 % のとらえ方

ヘモグロビン(Hb)とは血液中の赤血球に存在するタンパク質のことで、このうちブドウ糖と結合したものをヘモグロビンA1Cといいます。ブドウ糖はタンパク質と結合しやすい性質があり、赤血球が全身をグルグルめぐる間にヘモグロビンにブドウ糖がくっついてきます。

血液中にブドウ糖が多いと、それだけヘモグロビンA1Cがたくさんつくられます。一度くっついたブドウ糖は、赤血球の寿命である約120日間、けっして離れることはありません。血糖値の高い状態が長く続けば、ブドウ糖と結合したヘモグロビンがたくさんつくられ、ヘモグロビンA1Cの数値は高くなります。

赤血球の寿場合は約 120 日ありますので、過去にさかのぼってどのくらいヘモグロビンA1C がつくられたかがわかります。だいたい直近 1 ~ 2 ヶ月の平均の血糖状態を表現しているとされています。このヘモグロビンA1C が 6.1 % 以上の人は、2010 年から血糖値や臨床状態を参考にしたうえでならば糖尿病と診断してよいことになりました。

ちなみに 5.2 ~ 6.1 % 未満は要指導、5.2 % 未満は正常です。人間ドックに行ったことのある人ならご存じでしょうが、人間ドックでは多くの場合、ヘモグロビンA1C は 5.8 % から異常として検出されます。しかし特定健康診査(別名メタボ健診) では、5.2% から異常として検出されています。なぜでしょうか。

特定健診は動脈硬化(この場合は糖尿病)になりやすい人を検出しますが、人間ドックは、ほぼ糖尿病と思われる人を検出するからです。同じ健康診断でも、目的が違うと基準もまったく異なるのです。そうすると、人間ドックなどで5.8% 以上を検出しているのは、糖尿病を見つけるという意味ではおおむね妥当な話かもしれません。

では、人間ドックでは検出されないけれど、特定健診で検出される 5.2 ~ 5.8 % 未満の人は、どんな人なのでしょう。私自身、非常に興味があったのでいろいろ調べました。

しかし5.2%を基準とするためのはっきりした根拠は見いだせませんでした。ただ、200 例程度の少ない自験例から検討してみると、ヘモグロビンA1Cは5.4 %なのにブドウ糖負荷試験(ブドウ糖75 gが入ったジュースを飲み、飲む前、摂取の30 分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定して、血糖値の上がり具合を見る検査) で糖尿病の方はいましたし、健診でヘモグロビンA1C 5.2% 以上だった人の食後1〜2時間の血糖値を調べてみると、180 mg/dl を超える食後高血糖パターンの人を約半数近く認めました。もちろん、6.1% に近づくにしたがって、その出現率も高くなるわけです。

つまり、ヘモグロビンA1C 5.2~5.8% 未満の人は、おそらくまだ糖尿病にはなっていないけれど、食後高血糖糖尿病予備軍(境界型糖尿病) になっている、あるいはそれに近づいている可能性が高いと考えています。ですから、ヘモグロビンA1C 5.2% はおそらく、食後高血糖が出現し始める数値なのです。そして実は、食後高血糖は糖尿病と同じくらい、心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性が高いのです。

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糖尿病

糖尿病 メタボなら治療しやすい

糖尿病 メタボ

糖尿病 メタボなら治療しやすいについて書いてみようと思います。やせの糖尿病のほうが大変でも紹介たように、デブにも、1つくらいはいいことがあります。やせれば、それだけで糖尿病やその他の血液検査の数値が改善するからです。痩せる= 数値が改善するということです。

5kg以上のダイエットに成功した43名の血液データの変化を調べてみました。すると、ヘモグロビンA1C、空腹時血糖値、平均血圧、中性脂肪とも、大きく改善しました。つまり太った人は、糖尿病も高血圧症も脂質異常症も、やせればよくなる可能性が大きいのです。

糖尿病 メタボなら治療しやすい

私の場合、体重 122 kg ヘモグロビンA1C が 11.1 % でしたが、体重の減少にともなつてヘモグロビンA1Cは下がり続け、42 kg 減量してからはインスリン注射は必要なくなりました。糖尿病の薬をまったく使うことがなくなったいまもずっと、ヘモグロビンA1Cは 4 ~ 5 %を維持しています。

しかしやせている人は、こういうわけにはいきません。とくに糖尿病の場合は、肥満かどうかで運命が大きく分かれるようです。なぜ肥満の人の糖尿病はコントロールしやすいのに、やせた人の糖尿病はコントロールしにくいのでしょうか。

それを車に例えると、こういうことになります。糖尿病にとって、エンジンにあたる部分を膵臓と考えてください。太っている人の糖尿病は、車体がトラックでエンジンが軽トラック用です。やせている人の糖尿病は、車体は軽トラックでエンジンが壊れている状態です。

ですから、太っている人はやせて車体を軽トラックの大きさにすれば、軽トラックのエンジンで動けます。ところがやせた人、あるいは何を食べても太れない人は、ガソリンを入れようがアクセルを目いっぱい踏もうが動かない。エンジンが壊れているからです。これこそ日本人らしい脆弱な膵臓の持ち主で、薬を使おうが何をしようが、勝臓はインスリンを出しにくいのです。やせた人の糖尿病は、それだけ深刻なのです。

体重を減らすことは糖尿病の管理において非常に重要です。体重を減らすことで、インスリンの効果が改善され、血糖値のコントロールが容易になる場合があります。特に、過体重や肥満が2型糖尿病のリスク因子の一つであるため、体重を減らすことで糖尿病の進行を遅らせたり、逆転させたりすることができます。

しかし、痩せることができたなら 体重を減らすだけでなく、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理なども重要です。医師や栄養士と相談しながら、健康的な方法で体重を減らすことが大切です。また、糖尿病の治療は個々の状況に応じて異なるため、必ず医師の指示に従って行うようにしましょう。

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