食べる時の工夫

低GI値が低いものを食べればやせられるのが、低インシュリンダイエットの基本です。GI値が60以下の食材を食べるのが、のぞましいのです。しかし、ご飯やパンなどの穀類は、玄米やライ麦パンなどを除くとGI値が高いものが多くなります。

結局主食となるものを減らすか、主食を代えるしかないのか、と思いがちですが、いままでと同じでもいくらかGI値を低くする方法があります。

高GI値の食べ物を食べるときには、それなりの工夫をすればいいのです。そのまま食べるのではなく、なにかと一緒に食べたり、食べるタイミングをずらしたり…というような工夫をします。

高GI値のものを食べるときは、繊維質の多いものと一緒にとる!

ご飯やパンなどの主食には、高GI値のものが多いですが、高G I値の主食を食べる際には、血糖値が一気に上がるのを防ぐ効果がある繊維質のものを一緒に食べるといいでしょう。

繊維質の多い食品としては、よく知られていることですが、こんにゃく、わかめやひじきなどの海藻類、キノコ類や豆類、ごぼう、大根、そのほかの野菜類などがあります。

食物繊維は、GI値が低いだけでなく、胃のなかで食べ物のカサを増やすため、腹持ちがよく少量で満腹になります。さらに、腸内の善玉菌を増やし便秘を解消します。ほかにも、大腸ガン、高脂血症、糖尿病などを防ぐ効果もあります。食卓には繊即維質のものを忘れずに。

白米など高GI値のものを食べるときは、酢の物を一緒に食べる

いつも食べている白米は、ご飯類のなかでもっともGI値が高いのですが、食べないわけにはいきません。そこで、白米を食べるときは、酢の物を一緒に食べるようにしましょう。
黒酢で健康パワーアップ

白米と酢の物を一緒に食べると、白米だけを食べたときよりも、白米の吸収率を抑え、血糖値の上昇スピードを遅くします。酢の物に加える食材は、きゅうり、わかめ、大根などできるだけGI値の低く繊維質の多い野菜などがおすすめです。

また、焼きそば、ラーメンなどに酢をかけるのもいいでしょう。フライや揚げ物などは、マリネにするのも手です。そのほか、酢を多めに入れたドレッシングやマヨネーズをかけるだけでも効果があります。

パンを食べるときは、牛乳などの乳黎品を添える!

以下にのせた表は代表的なパンのGI値ですが、ライ麦パン以外は、すべてGI値が60以上です。食パンやフランスパンはGI値が90以上とかなり高いので、本来ならおすすめできない食材です。

主なパンのGI値(100gあたり)
食品 GI値 カロリー
フランスパン 93 279
食パン 91 264
バターロール 83 316
ベーグル 75
クロワッサン 68 448
ライ麦パン 58 264
小麦全粒粉 50

しかし、牛乳や乳製品と一緒にとれば少しはGI値が低くなります。パンにバターをぬったり、チーズサンドを食べながら牛乳を飲むというのは、いっけんカロリーが高そうに見えますが、血糖値の上昇をゆっくりにして、インシュリンの分泌を抑える太らない食べ方なのです。

うどんを食べるときは、たんばく質を多く含むものを一緒にとる!

ぅどんのGI値は80と高いのですが、たんばく質と一緒に食べれば、血糖値の上昇を抑えることができます。卵とじうどん、肉うどん、納豆うどんや、冷やしうどんを卵をわったダシでいただくのもいいでしょう。たんばく質を多く含む低GIの食材は以下のとおりです。

たんぱく質を多く含む低GI値の食品(100gあたり)
食品 GI値
牛ヒレ肉 45
豆腐 42
カツオ 40
納豆 33
30
豆乳 23
きなこ 34
牛乳 23
きなこ 34
プロセスチーズ 31

パスタを食べるときはチーズをたっぷりかける

パスタは、ご飯とくらべるとGI値65と低めです。チーズを多めにふって食べるとさらにいいでしょう。チーズはたんばく質を多く含む乳製品ですので、GI値が高めのものを食べても、血糖値の上昇を抑えゆっくりにします。チーズのGI値は35と低いので、たっぷりかけても心配はいりません。

甘いものは食後3時間以上あけてから食べる

食後すぐに甘いものを食べると、炭水化物に含まれる糖と甘いものの糖が合わさり、血糖値がいっきに上昇します。インシュリンによって肝臓や筋肉に運ばれる糖ですが、肝臓や筋肉に蓄えられる量には限度があります。血糖値が急上昇すると肝臓と筋肉に蓄えられる糖の許容量をすぐに超えてしまい、糖が余ってしまいます。

この余った糖は脂肪細胞に運ばれ、脂肪になってしまうのです。そのため、同じ甘いものをとるにしても、食後すぐのデザートではなく、間食で甘いものを食べたほうが、血中に溶け込む糖の量を小分けにできるため、血糖値が急上昇するのを防ぐことができます。
その結果、脂肪をつきにくくすることができるのです。食事をしていったん上がった血糖値は、インシュリンの働きで3時間後には必ず下がってきます。ですから、甘いものは食後3時間以上あけてから食べれば、糖も余らず脂肪として蓄ゝえられることもなくなります。

甘いものを食べるときは、ビタミンB1を含むものと一緒に食べる

甘いものは糖質を多く含みます。糖質は、体内で代謝されるときに、ビタミンB1が必要となります。ビタミンB1が不足すると、十分なエネルギーを作り出すことができなくなるのです。これがひどくなった状態が夏パテです。

夏場は甘い飲み物などを多くとりがちで、ビタミンB1がほかの季節よりも消費されます。そのため、ビタミンB1不足に陥り、エネルギーを十分に作り出せなくなり、食欲不振、めまい、手足のしびれ、動悸、倦怠感などを起こしやすくなるのです。
ビタミンB1を多く含む食品
を意識して甘いものを食べるようにします。

人参は生で食べる

にんじんはGI値が80とひじょうに高いので、なるべく避けてほしい食材です。しかし、カロチンなど見逃せない栄養も豊富に含んでいるため、食べたい食品のですので、生のままスティックや千切りにしたサラダに酢の入ったドレッシングをかけて食べるとよいでしょう。

また、なますのように、酢漬けにするのもいいでしょう。最近、流行のにんじんジュースは、消化がよくなるため、さらにGI値が高まります。栄養価的にはひじょうに良好で魅力的なのですが、低インシュリンダイエットを行う際には、野菜ジュースを飲むときには、できればにんじん抜きのもののほうがいいでしょう。

コーンはまるごと焼いて食べる

コーンのGI値は70と高い値です。とくに、ペースト状のものやコーンクリームスープのように煮詰めてやわらかくすると、消化がはやい状態になり、GI値はさらに上がります。

焼きとうもろこしならばまわりが固くなり、GI値も多少低くできます。そのまま焼いて食べれば血糖値も上がりにくくなります。また、コーングリッツを元にしたスナック菓子はGI値が高く、なるべく避けたほうがいいでしょう。

ラーメンはスープを残す

中華麺はGI値61 です。ラーメンは、塩、しょうゆ、みそなどスープの種類によって、GI値には、それ程の差はありません。

ただし、スープはできるだけ残しましょう。水分を多くとると、食べたものの吸収が速まり、血糖値が上昇しやすくなります。ラーメンのスープの油分も、水に溶け込んでいるため、速く吸収されてしまい太る原因になります。

具は、繊維質の多い、わかめやメンマの多いほうがいいでしょう。また、食べ物の吸収は、温かいものよりも冷たいもののほうが遅くなります。冷やし中華は、スープに酢を使っていますし、きゅうりなどの野菜や低G I値のハムなどもあるため、おすすめです。