これまでのダイエットは「食べない」、低インシュリンダイエットの基本は「食べる」という点
「低インシュリンダイエット」の基本ルールは、低インシュリン状態を保つために血糖値を庶く抑える食べ物、つまり低GI値の食べ物を食べることです。しかし、いままでざまざまなダイエット法を経験してきた人ににとって、「食べてもやせる」ということを信じられない人もいるかもしれません。
食事制限が不要な理由
これまでのダイエット法で、もっとも多く行われていた方法が食事制限です。食事量を減らすことによって、摂取カロリーを減らして、体内の余分な体脂肪を減らそうというものです。
しかし、食事制限をすると逆に、身体はかぎられたときにエネルギーをためこもうとするため、吸収率がよくなってしまいます。そのうえ、空腹に耐えなければならない、食べたいものが食べられない、という精神的ストレスは、自律神経を狂わせて身体の不調をもたらしたり、ダイエット後の過食をうながしてしまったり、心身の健康という意味からは遠ざかってしまいます。
「がまんするダイエット」は、ほぼ100パーセントがリバウンドします。そして、スレンダーを保つ考え方・習慣などもとても大事な知識です。
知っている、知らないでは大きく差がついてしまいます。
ダイエットの場合、まず本人が気持ちよくできることが最優先です。そして、効果を実感できることがひじょうに重要だと考えています。その基本を大事にした低インシュリンダイエットは、食事量を変えないという前提で考え出した方法です。
なぜ、食事を減らす必要がないのかというと、低GI食を食べていると、太る要因がないということがあげられます。いままでの食事で太ってしまったのは、血糖値上昇スピードが速いものを比較的よく食べていたせいで、インシュリンの分泌量が多くなり、脂肪を蓄積しやすい体質に陥っていたのです。
また、高GI食は消化速度も速いため、すぐにお腹がすき、たくさん食べてしまいがちですから、食事制限をして体内に入ってくる量を減らさなければいけませんでした。
「低インシュリンダイエット」では、血糖値が急上昇しない低GI食を食べますから、血糖値の上昇がゆるやかになり、インシュリンが大量に分泌されなくなりたくわます。
その結果、脂肪は蓄えられにくくなります。低G I食は、高GI食にくらべて、消化の速度もゆるやかです。
ゆっくり消化すると腹持ちがいいため、たくさん食べる必要はなくなります。必要な分だけを食べ、それがエネルギーとして使われるのですから、余分な脂肪が蓄えられなくなり、ひじょうにバランスのとれた状態になります。
さらに、グルカゴンが分泌されやすくなりますから、いままでの余分な脂肪が燃えやすくなります。このように低GI食を食べていれば、食事制限をする必要がないのです。
本当にリバウンドは起きないのか?
ダイエットに成功したと、食事を元にもどしたとたんにリバウンドし、またダイエットを繰り返すたびにやせにくい体質になっている人たちは、ダイエットにはリバウンドはつきものと思っているかもしれません。
しかし、それは本当の意味のダイエットではありません。「低インシュリンダイエット」は、ただ体重を落とすだけではありません。低GI食を食べることで、血糖値を低く保ってインシュリンの分泌量を低く抑えながら、食事制限なく満足に食べる方法なので、脳の機能、つまり視床下部の満腹中枢と摂47 食中枢のバランスを乱しません。
だから、食事制限ダイエットのように、少ない食事で対応できるけれども問題点の多い体質(体温低下、基礎代謝の低下、交感神経の活動の低下など=太りやすい体質) へと変化することなくやせられます。
また無理やがまんがないので「ダイエット期間」というものがなく、食生活そのものを改善し、生涯にわたってつづけられるようになります。
いままでのダイエット法のように、リバウンドが起きるのは、「ダイエット前のように好きな物を食べたい」という欲求をがまんしつづけていることがもっとも大きな原因ですり本音を抑え込んでいるため、減量という目標を少しでも達成したとたんに、欲求をかなえたい願望がよみがえってくるのです。
低インシュリンダイエットは、いままでどおりの食事量を基準とするので空腹感がなく、欲求を無理にがまんすることはありません。また、健康的な食生活が身について体重が減るため、ダイエットが一段落しても前のように食べたいという欲求が起きません。
運動が不要な理由
いままでのダイエット法では、摂取カロリーが消費カロリーを大幅に上回っている場合に、消費カロリーを少しでも増やす目的で、必ず運動することをすすめていました。
しかし「低インシュリンダイエット」ではカロリー計算はいりません。毎食、食べるものを低GI値の食事に代えるだけです。低インシュリンダイエットでは、インシュリンの分泌量を少なくするために、血糖の急上昇を抑える低GI値の食事に代えることは、たびたびお話ししてきました。
けれども、じつは運動をつづけている人は、それだけでもうインシュリンの分泌量が抑えられているのです。運動が苦手という人が無理に運動するのはつらいでしょうが、体質改善の意味を含めて、ぜひ少しでも運動習慣を持ってほしいと思います。当然、そのほうが相乗効果があがるというものです。