糖尿病 やせ でもなる

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糖尿病 やせ でもなる

糖尿病 やせ ててもなることが最近はわかってきました。糖尿病は、どんな人がなるのでしょうか。みなさんは、太っている人が糖尿病になると思っていないでしょうか。多くの人が「糖尿病は太っている人の病気」と思い込んでいました。

糖尿病 やせ でもかかる

国が特定健康診査(内臓脂肪を減らすことによって生活習慣病を予防するとともに、医療費の削減を目的とする保健事業で、公的医療保険に加入している40~74歳までが対象)を2008年にスタートさせたのも、「太っていない人がどんどん太って糖尿病になる」という理由からだと思っていました。

しかし本当に、糖尿病は太っている人の病気でしょうか。ここに興味深いデータがあります。ある医師の地区の健診受診者のデータです。これに限って言えば、世間の空気とは裏腹に、太っていない、いやむしろ明らかにやせている糖尿病患者が目立ちます。
ある医師は、自分が診ている糖尿病の患者さんは80人中、肥満度指数(BMI)が25を超える人は3人しかいないのです。もっとも、その医師で診ている患者さんは、高齢者が多い地域ですし、しかもその多くが高齢の女性ですから、かたよ偏りがあるかもしれません。

では、全国規模で見たらどうでしょうか。日本国内にも、糖尿病を追跡調査した多くの研究があります。おもだったものを調べると、意外なことに日本人の糖尿病患者のBMIは、22.5~23くらいにピークが集中しているのです。

ところで、BMI とは何でしょう。BMI は、肥満度を計る体格指数のことです。体重を身長で 2 回割った数値で表しますが、これが 18.5 ~ 25未満なら「標準体重」、それ以下なら「やせ(低体重)」、それ以上だったら「肥満」ということになります。

この肥満度指数で見た日本人の糖尿病患者の中心は、22.5~23.0。驚くべきことに、少しも太っていません。むしろ、ほぼ標準体重です。

糖尿病は太っている人の病気か。この答えは、「ノー」です。日本の糖尿病患者の7~8割は太っていない人なのです。みなさんもお知り合いの糖尿病の人を思い浮かべてください。その人は太っていますか? もし太っているなら、40~60歳までの、比較的若い人でしょう。

70歳を超えた人で太っている糖尿病患者は、むしろ少ないというのが私の率直な感想です。太っているから糖尿病になるとは限りません。むしろ、日本人はやせたまま糖尿病になる。そういう運命を背負っているのです。

糖尿病 肥満 でなくてもなる理由

糖尿病が肥満でなくても発症する理由は、インスリン分泌の問題や、遺伝的要因、内臓脂肪、生活習慣、環境要因などの複雑な要素が絡んでいます。特に、アジア人ではやせ型の糖尿病患者が多く、欧米人とは異なる病態が見られます。

糖尿病が肥満でなくても発症する理由

1. インスリン分泌の問題

インスリン分泌の不全

  • アジア人を含む一部の人は、インスリン分泌能力が低いことが多く、これが糖尿病の発症に寄与します 。
  • β細胞機能の低下: インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の機能が低下することで、インスリン分泌が十分でなくなり、糖尿病が発症します 。

2. 遺伝的要因

糖尿病関連遺伝子

  • TCF7L2KCNQ1CDKAL1などの遺伝子変異が、インスリン分泌や作用に影響を与え、糖尿病のリスクを高めることが知られています 。
  • 家族歴: 糖尿病の家族歴がある場合、遺伝的な影響で発症リスクが高まることがあります 。

3. 内臓脂肪

内臓脂肪の蓄積

  • やせていても内臓脂肪が多い場合、その脂肪細胞から分泌される脂肪酸や炎症性サイトカインがインスリン抵抗性を引き起こし、血糖値のコントロールを悪化させます 。
  • 脂肪肝: 内臓脂肪が多いと脂肪肝になりやすく、これがインスリン抵抗性を強めることがあります 。

4. 生活習慣と環境要因

食生活

  • 高糖質の食事: 主食や間食に高糖質の食品を摂取することが多いと、食後高血糖が慢性的に続き、糖尿病のリスクが増加します 。
  • 栄養バランスの乱れ: 栄養の偏りがある食事は、血糖コントロールに悪影響を与えます。

運動不足

  • エネルギー消費の不足: 日常生活で運動が不足すると、食事で摂取した糖質がエネルギーとして消費されず、血糖値が上昇しやすくなります 。

ストレスと睡眠不足

  • ストレス: 長期的なストレスはホルモンバランスを乱し、インスリン抵抗性を高める可能性があります 。
  • 睡眠不足: 睡眠不足は血糖調節に関わるホルモンのバランスを崩し、糖尿病リスクを増加させます 。

5. その他の要因

加齢

  • 年齢を重ねると、膵臓のβ細胞の機能が低下しやすくなり、糖尿病のリスクが高まります 。

周産期の影響

  • 胎児期の栄養不足: 妊娠中の母親の栄養状態が悪いと、子供が将来的に糖尿病を発症しやすくなることがあります。これは「胎児期の低栄養仮説」として知られています 。

やせ型糖尿病患者の症例と治療法

症例

  • 症例1: 40代の男性、BMI 22、家族に糖尿病の既往歴あり。食後高血糖と診断され、インスリン分泌が低いことが判明。
  • 症例2: 50代の女性、BMI 20、ストレスが多い職業で、糖質が多い食生活。血糖値の変動が大きく、糖尿病と診断。

治療法

  • 食事療法: 低GI食品やバランスの取れた食事を推奨。
  • 運動療法: 定期的な有酸素運動や筋トレを実施。
  • 薬物療法: 必要に応じて、インスリン分泌促進剤やインスリン抵抗性改善薬を使用。
  • ストレス管理: ストレスを軽減するためのカウンセリングやリラクゼーション法の導入。

結論

糖尿病は肥満でなくても発症することがあります。その主な原因は、インスリン分泌不全や遺伝的要因、内臓脂肪、生活習慣の問題などが複雑に絡み合っています。糖尿病予防と管理には、バランスの取れた食事、定期的な運動、ストレス管理が重要です。

医師が糖尿病になった闘病記はこちら。

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