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痩せると病気になるという誤解

よく、年配のかくれ肥満の方に、少しヤセるように言うと、「これ以上ヤセたら病気になっちゃう」「ヤセると貧相でみすぼらしい」などと言って、なかなか言うことを聞いていただけないことがあります。
特に50歳以上の方にこの傾向が多いようです。しかし、これは大きな誤解です。たしかに、50歳以上の方たちが育ったころの日本は、結核や肺炎などの病気が非常に多く、食糧もあまり豊富とはいえない時代でした。結核や肺炎などのカロリーを使う病気は、消耗性疾患といって、かかると発熱などで体力を消耗してしまいます。
ただでさえ食糧難の時代に、食事を残して栄養不良になると、抵抗力が弱くなり、これらの病気にかかりやすくなったことでしょう。ですから、出された食事は残さずに食べて脂肪をつけて、これらの病気に備えようというのが一般的でした。

ところが、今の日本は、病気の質も食糧事情もまったく違います。結核や肺炎などの消耗性疾患は影をひそめ、代わりに高血圧、糖尿病、狭心症、大腸ガンなど、食べすぎ、脂肪のつきすぎから起こる病気が急増しています。

しっけ飽食の現代では、昔の朕どおりに、出されたものを全部食べていたら、必ず脂肪過多になってしまいます。ですから、脂肪が足りなくて病気になる確率よりも、脂肪がつき過ぎて病気になる確率の方が、ずっと高いわけです。しかし今や太ることが病気を招く時代になったのです。それなのに、太ることが美徳だった時代に育った人は、いまだに発想を切り替えられずにいるのでしょう。
もちろん、70歳を超えると、体力が衰え、消耗性疾患にもかかりやすくなるので、脂肪はある程度必要になってきます。したがって、心臓病や関節障害などの肥満による害がなければ、あまりヤセる必要はありません。しかし、それまでは、発想を転換して、病気の予防のため、かくれ肥満をぜひ解消してください。

「同じカロリーの食事なのに年々太っていく」必然

脂肪がつく原因は、ただ1つ非常にシンプルで単純です。摂取カロリーが消費したカロリーよりも多かったためです。それ以外の原因はありません。これはふつうの肥満者も、かくれ肥満者も同じです。
それを承知していて、自分の1日の栄養所要量に見合った分だけを食べるように決め、食事の量を増やさないように気をつけている人もいます。
しかし、食事の量が増えなくても、人間は太ってしまうのです。それはなぜでしょうか?人間が1日に消費するカロリーは、2種類に分けられます。

  1. 運動代謝(生活代謝)>>>日常の動作や、運動したときに使われるもの
  2. 基礎代謝>>> 何もせず寝ているだけでも、体温を保ち、内臓を動かすといった、生きていくうえで最低限必要なもの

このうち、2の基礎代謝量は、25歳を過ぎた頃から徐々に減少します。だいたい、l日につき10kcal1年の合計で約3500kcalくらい減ります。脂肪組織1kgを燃やすのに約7000kcal必要なので、これは1年で合計約0.5kgの脂肪に換算できます。
「最低限必要なエネルギー」は年々脂肪0.5kg分ずつ不要になってくるわけです。つまり、今までと同じカロリーの食事をとっていると、運動量を増やさないかぎりは、1年に約0.5kgずつ太っていくことになるのです。

ですから、若い頃から健康に気をつけて、決まったカロリー内で食事を作るようにしていても、25歳を過ぎた頃から、少しずつカロリーが余分になってきます。その分は脂肪として身についていきます。ですが、年0.5kg程度とわずかずつですし、手足が細ければ、太ったことに気づかないかもしれません。
25歳を過ぎてから増えた体重というのは、ほとんどが脂肪です。よほど意識して運動をしていない限り、筋肉はつきません。そうすると、体脂肪率は気づかないうちにしだいに高くなっていきます。
かくれ肥満の人たちは、若い頃標準体重以下で、比較的ヤセていたため、徐々に体重が増えても依然としてスマートである場合が多いでしょう。
しかし、体脂肪率を計ってみたら30%以上あった… 。という人は少なくありません。そのまま気づかずにいると、さらに脂肪率が増えて、少しずつ成人病への階段を昇っていくことになるのです。

成人病のわかれ道、体脂肪率30%のライン

日本人の成人女性の場合、正常な体脂肪率の範囲は全体量の20~25 %だといわれています。これに対し男性は15~19%と、かなり少ない比率です。
この正常値に年齢は関係ありません。女性の方が体脂肪率が高いのは、女性の体の構造上、皮下脂肪が多いことなどが理由です。よく、冬山で遭難した場合、女性の方が救助される確率が高いといわれるのは、女性の方が体脂肪を多くたくわえているので、寒さや飢えに強いからでしょう。

また、乳房が特に大きい女性の場合は、乳房はほとんど脂肪でできているため、体脂肪率が多目に出ますが、これはかくれ肥満ではありません。
さて、脂肪率を体重に換算すると、たとえば体重55kgのA子さんの場合、体脂肪率が平均的な23% であれば、12.65kgになります。つまり、55kgの体重のうち、12.65kgは脂肪では、同じ体重で同じ身長の、体脂肪率32%のB子さんはどうでしょうか。この場合、脂肪体重は17.6kgにもなり、同じ体重でありながら、脂肪の重さはおよそ5kgも違います。
つまり、B子さんは、見た目はA 子さんと同じような体型でありながら、はるかに「太っている」といえるのです。実は、体脂肪率は、ある一定の値を上回ると、成人病の発病率が高くなることがわかっています。
女性では30%以上、男性では25%以上がその億です。同じ体重でも、B子さんはA子さんよりずっと成人病にかかりやすいということになります。

最近は「生活習慣病」と呼び方が変わりつつありますが、体脂肪率30%以上になることで増える成人病には、糖尿病、高血圧、高脂血症、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、脂肪肝、胆石症、痛風、骨粗鬆症、関節障害、大腸ガン、子宮体ガン、乳ガンなどがあり、放置すると、寝たきりになったり、最終的には死に至るといった深刻な結果を招く可能性が大きく、たかがかくれ肥満とあなどると、取り返しのつかないことになります。
ですから、30%(男性なら25%) を超えた体脂肪は、成人病になりたくないのならば、即刻減らさなければなりません。それでは、体脂肪率は低ければ低いほどいいのでしょうか?
スーパーモデルといわれる女性たちの体脂肪率はおそらく15%前後で、男性並みの低さでしょう。しかし、あまりに体脂肪率が低すぎると、環境の変化に弱くなったり、病気にかかったときの抵抗力がきわめて低くなり、健康上はあまりおすすめできません。

よく、スーパーモデルに憧れ、必要以上にヤセたいと思っている若い女性がいますが、健康のためにも、あるいは、「均整のとれたスリムな女性美」のためにも、脂肪率は20%をきらない方がよいでしょう。もっとも、このようなヤセ願望は、青春の一時期に限られます。

皮下脂肪より問題をかかえている内臓脂肪

体の中の脂肪というと、真っ先に思い浮かぶのが皮下脂肪でしょう。これは文字通り皮下について、体を外界との温度差から守ったり、ぶつかったときの衝撃を吸収する役割を果たしています。

女性は皮下脂肪がもともと多く、そのためにふっくらと丸みを帯びた女性らしい体型がつくられています。また、皮下脂肪は、妊娠や出産、飢え、消耗性疾患(肺炎や結核など体力を消耗する病気) の際、生命を維持するのに必要なエネルギー源にもなる重要な組織です。
体脂肪にはもう1つあり、それは内臓脂肪と呼ばれます。こちらは、内臓の周囲につくもので、どちらかというと中年以降につく傾向があります。皮下脂肪と異なり、これといった役割がなく、余分なエネルギーの貯蔵庫として存在しているといわれています。成人病を引き起こす原因となるのは、主としてこちらの体脂肪です。皮下脂肪も内臓脂肪も、つく場所が異なるだけで、どちらもまったく同じ脂肪です。

人間は、外界から取り入れた栄養をエネルギーに変えて生きています。このとき、取り入れた量が使った量よりも多かったとき、体はそれを脂肪に変えて体内にため込み、次にエネルギーが不足したときのためにとっておこうとします。
これが体脂肪なのです。体脂肪は、脂肪細胞が集まってできています。この脂肪細胞は、ふつうの人で30億個くらいあり、小さな小さなイクラのような形をしていて、中には中性脂肪がつまっています。

脂肪細胞は100倍くらいまで膨張できるため、食べ過ぎて中性脂肪がたくさん作られれふくば、それを取り込んで1つひとつの脂肪細胞が大きく膨らみます。それが太った状態なのです。

よく「私は固太りだから、なかなかヤセないんです」「私は水太りで、ブヨブヨしてしまりがなくって」などという人がいますが、固いか柔らかいかは、脂肪の質ではなく、筋肉のつき方の違いもによります。
よく、お風呂で操むと、お腹の脂肪が柔らかくなるといいますが、あれは脂肪ではなく、腹筋が柔らかくなるのです。「長年太っているから、古い脂肪がガンコで取れないみたい」などと言う人もいますが、脂肪は地層ではないので、そんなことはありません。

ただ、子供の頃から太っていると、脂肪細胞の数が、ふつうの人より増えてしまうので、ヤセにくくはなります。脂肪といっても、体脂肪はラードやバターとは遠い、非常に丈夫な組織で、撮んだり、たたいたりしたぐらいでは、こわれません。

脂肪がなくなるのは、エネルギーとして消費されたときだけです。ロウソクが燃えて光のエネルギーとなるとき、ロウは溶けて消失しますが、体脂肪も同じです。歩いたり走ったりするとき、心臓や消化器官を動かすとき、あるいは体温を維持しょうとするとき、皮下や内臓周辺にたくわえられた脂肪がエネルギー源となるわけです。

ふつうの肥満者の場合、皮下脂肪と内臓脂肪の両方が問題になりますが、かくれ肥満の場合、問題となるのは内臓脂肪のことが多いようです。
内臓脂肪は運動不足の人に多く、中年以降につく傾向があり、成人病の原因となる危険なものです。1度ヤセて、リバウンドしたときつく脂肪も、ほとんどがこの内臓脂肪です。ある程度必要な皮下脂肪と違って、人間にとって無用ともいえる内臓脂肪をいかに落とすかが、かくれ肥満からの脱却の大きな柱といえるでしょう。

「体重を減らすこと」と「脂肪を減らすことは大きな違いがある

肥満とは、「体重が重いこと」ではなく「体の中の脂肪が多い状態」です。ですから、肥満を解消しようとするなら、体重そのものよりも、この脂肪の量を減らすことに目を向けなければ意味がありません。
従来、体脂肪率を正確に測定するためには、全身を水中に沈めて身体の比重を計る非常に大がかりな装置が必要で、そのため、一般の人が自分の体脂肪率を計るチャンスはなかなかありませんでした。
そこで、ノギスのようなもので皮下脂肪をはさみ、その厚さから体脂肪率を推定するのが一般的な方法でした。もちろん、これではごく大ざっばな体脂肪率しかわかりません。
しかし、ここ数年、簡単に測定できる体脂肪率計が普及しはじめています。体重計のよぅに上に乗って計るものと、両手で握るハンドル状のものがありますが、両方とも、しくみとしては、体に微弱な電流を通し、その電気が伝わる速度で体脂肪率を割り出すというものです。この体脂肪率計の出現は非常に画期的で、今までCTスキャンで輪切りにでもしなければ目にすることのできなかった自分の体の中身の情報を、体脂肪率という数値に置き換えて見ることができるようになりました。

体脂肪率計の精度は、運動後や、体調不良で体内の水分のバランスが崩れている場合など、状況によっても多少測定値に誤差が出るので、まだ100% 正確に計れるというわけにはいきません。それでも、不可能だった家庭での脂肪率測定が容易になったことで、今まで発見されずにいたかくれ肥満がわかるようになったのは、たいへん喜ばしいことといえるでしょう。
それまでは、肥満というと、誰もが体重のことばかりを問題にしてきました。したがって、見かけの体重が重くないかくれ肥満は、まったく問題にされていませんでした。しかし、体重ばかりを減らそうとする考え方が正しくなかったことは、たくさんの間違ったダイエットの流行や、その結果として体をこわしたり、すぐリバウンドしてしまった人たちによって証明されてきたのです。
たとえば、ボクサーの減量を真似たダイエット。てっとり早くヤセられるダイエットの代表のように思われてきましたが、これなどは過激な減食に加え、サウナで汗を絞り出すという、鍛え抜いたボクサーでさえ苦しむ方法です。
こんなムチャなことを、ふつうの若い女性がやってのけるのです。また、こんにゃくや卵だけしか食べずに、体に必要な栄養のことなど何も考えない「○○だけダイエット」も同じことです。かごんこういったダイエットは、程度によっては自殺行為と言っても過言ではありません。
体重さえ減ればいいという乱暴な考え方に立ったダイエットでは、いつまでたっても本当の敵・体脂肪を退治することはできません。
特に、かくれ肥満の場合、脂肪率が高いのであって、体重は重くないのですから、体重を減らせばいいとばかりに食事を減らしたり、水分を出したりすれば、必ず体をこわしてしまいます。
また、脂肪は減っても、それと同時に筋肉や水分も減るので、脂肪率はあまり変わりません。「でも、体脂肪だけ減らすなんて都合のいいこと、できるの?」と思われる方、大丈夫です。
問題は体重ではなく、体脂肪であることを理解して、脂肪の性質を見極め、脂肪とどうやってつき合っていけばいいかを知れば、かくれ肥満を解消するのは、そんなに難しいことではないのです。

標準体重がかくれ肥満を見えなくしてしまう

一般的な肥満の指標となる「標準体重」は、ある身長の人が、最も病気になりにくい体重という基準で生まれた、いわば「健康体重」です。
一覧表にするとわかりやすいのですが、これよりもプラス10~20%体重が重ければ「肥満ぎみ」、20%以上なら「肥満」。マイナス10%よりも少なければ「ヤセ」となります。このうち、プラスマイナス10%以内の体重であれば、正常の範囲内ということになります。
厚生省の統計によると、肥満といえる中年女性は、全体の約20% 。ということは、残りの約80%の中年女性はヤセる必要がないということになります。
しかし実際は、どうでしょうか?「ヤセなくてもいい」と判断されている80%の中年女性のなかには、正常範囲内ギリギリの人や、肥満ぎみの人もたくさんいるはずです。また、現実に女性の7割以上がヤセたがっているいるというのは、標準体重では「重い」と感じているためもあるのではないでしょうか。

標準体重は、人間ドックや集団検診などで集められた多数の人のデータをもとにしています。それにより、同じ身長の人で、最も病気の雁患率が少ない体重が標準体重として決められました。
たとえば、156cm女性なら、53.5kgです。だいたい、日本人の40% は、この標準体重プラスマイナス10%の範囲内に入ります。このようにして決められた標準体重は、一見非常に合理的に見えますが、さまざまな問題点を含んでいます。
たとえば、人間ドックや集団検診を受ける人は、中高年が多く、必ずしもどの年代の人にも当てはまるとは限りません。事実、調査したの女子大生の平均体重は、156cmの人は49.9kgと標準体重より3.6kgもヤセていました。
つまり、半数以上の女子大生は、健康のためには標準体重まで太らなければいけないことになります。
また、人間ドックで測定した体重は、あくまでもある一時点における体重なので、病気のためにヤセた人も含んでいます。しかし、この人はヤセているために病気になったのではなく、病気のためにヤセたのです。つまり重要なのは、その時点での体重ではなく、体重の変化なのです。たとえば、A子さんは、若い頃はヤセ型で、標準体重より軽かった女性です。しかし、中年以降体重が増えて、標準体重になりました。ところが、その頃から、肝臓に脂肪がついた脂肪肝と診断され、まさか自分が、驚きます。
標準体重になって、成人病を発病したとすれば、その人にとっては、その標準体重は太り過ぎの状態なのかもしれません。このように、標準体重だけでは把撞できない肥満が、実際はたくさん存在することが、しだいに明らかになってきました。冒頭でご紹介した論文のような研究が、それを裏付けています。
数値に現れない肥満、つまり「かくれ肥満」の存在です
実際、糖尿病患者さんの指導に、長くこの標準体重の数値を使ってきました。もちろん、成人病の治療において、標準体重の存在は重要です。
しかし、だからといって「標準体重だから健康だ」というわけではありません。じつは標準体重は、人間ドックのような集団で、患者さんを十把ひとからげに考え、肥満を判定するのには、威力を発揮します。しかし、あまりにも高度に複雑化する社会で、ストレスや食生活の変化にさらされている現代人には、従来の画一的な数値や指導が通用しなくなってきています。
標準体重プラス10~20% までは、肥満ではなく「肥満ぎみ」と呼ばれていますが、実際には「肥満ぎみ」の大半が、脂肪率30 %を超える肥満になるのではないかとも感じています。
もっと多くの肥満が、標準体重の裏には隠れているはずです。標準体重は、体重の中身(脂肪や筋肉の割合)や体重の変化を考えなかったために、多くのかくれ肥満を見のがしてきた可能性があります。また、標準体重の範囲内であるのを口実に、かくれ肥満者たちが自分を甘やかし、ますます脂肪がついてしまうことになるかもしれません。
体重だけでは計れない肥満、それがかくれ肥満です。かくれ肥満は目に見えないために、のがぉか見逃され、気づかれずに、体の中でひそかに進行していきます。それがいつか全身を冒し、目に見える肥満と同じように、恐ろしい成人病を引き起こし、自分と家族を苦しめることになります。目に見えないゆえに、自分が肥満であると知らないかくれ肥満。健康診断でさえ見つけることのできないかくれ肥満は、皆さんの一人ひとりが、自分で注意することによって発見していかなければならないのです。

見た目は「標準以下」だからこそ注意が必要

今まで、肥満というと、誰もが体重のことばかりを気にしてきました。体重が重ければ肥満、体重が減ればダイエットは成功、と。
いまだに、「ヤセるには、体重さえ減ればいい」という思いこみが根強くあるようです。しかし、肥満の医学的な定義はもともと、「体の中の脂肪が多い状態」です。ですから、体重は軽くても、脾肪の占める割合(体脂肪率) が高ければ、肥満していることになります。
「体重が重いこと」と「体の中の脂肪が多いこと」は別物なのです。ただ、体脂肪率は、体重と違って計りにくく、外からはわからないので、「体重が重ければ体脂肪も多い」という一般論から、これまでは、つねに体重が肥満度の基準となってきました。

人間の体は、血液を含む水分、筋肉や骨、そして脂肪から成り立っています。このうち、一般的に脂肪は体重の20%程度ですが、この割合が30%を超えると、成人病の危険度が増すことがわかっています。
したがって、体脂肪率30%以上 が、ダイエットを必要とする肥満である、といってもいいでしょう。
計れる体重と違って、体脂肪率は「見た目」ではまったくわかりません。
外見ではいかにも肉付きのよいように見える人が、体脂肪率は低い場合もありますし、逆にどこから見ても太って見えない人が、体脂肪率だけ高い場合もあります。
こういう方は、いくら見かけが太っていなくても、このままではいろいろな病気を引き起こすでしょう。ですから、ふつうの肥満者と同様に、ヤセなければいけません。
しかし、従来のダイエットは、体重を減らすことばかりに目を向けて、「本当に減らさなければいけないのは、脂肪である」ということをおろそかにしていました。本当に健康的に美しくヤセるには、体重をやっきになって減らすのではなく、脂肪の割合を減らすことが必要なのです。

太っているかヤセているかは、体重や肥満度からではわからないことを、知ってもらいたいと考えていました。体重は重くなくても、また、外見が太っていなくても、この脂肪体重が重ければ、立派な肥満です。そして、こういう人は意外にたくさん隠れているのです。
かくれ肥満は、見た目や体重では判断できません。また、かくれ肥満を自覚していない人もかなりいます。

かくれ肥満チェック

自己診断用チェック

  1. 18歳(男性は20歳)のときより現在の体重の方が重い
  2. 昔はヤセ型だつたが、今は標準体重だ
  3. 体重は変わっていないが、体型が崩れた
  4. 体重は変わっていないが、ウェストがきつくなった
  5. 下っ腹がでてきた
  6. ヒップがたるんできた
  7. 二の腕が太くなった
  8. 着やせするタイプ
  9. ダイエットを何度も行っている
  10. リバウンドしたことがある
  11. それほど食べていないのに太る
  12. 昼寝やうたた寝をよくする
  13. 運動不足
  14. 移動手段はほとんどが車
  15. 休日はでかけずにごろごろしている
  16. 最近は疲れやすい
  17. 体力がない
  18. 階段を昇ると息が切れる
  19. ウェストトとヒップの比が0.8以上ある
  20. 更年期にさしかかっている
  21. 冷え性
  22. 甘いものが好き
  23. 揚げ物をよく食べる
  24. アルコールが好き
  25. ジュース、コーラ-、缶コーヒーをよく飲む
  26. 朝食を抜くことが多い
  27. 夜食が多い
  28. 間食が多い
  29. 外食が多い
  30. お菓子があるとつい手がでてしまう
  31. 退屈したりいらいらすると食べてしまう
  32. 満腹にしない気がすまない
  33. 残飯があると食べてしまう
  34. 満腹でも好きなものなら食べられる

あてはまる○の数が15個以上「A級かくれ肥満」

さぁ大変! いつの間に脂肪がついてしまったのでしょう? あなたはかなり前からかくれ肥満だったようです。しかも、すでに非常に体脂肪率が高くなっている危険があります。
ひょつとすると、30%を超えて、成人病への大台」に乗ってしまっているかもしれません。
このくらい○ がついてしまえば、あなたはもう立派なかくれ肥満。
食事をきちんととらずにお菓子で代用していたり、以前より歩かなくなったり、そんなライフスタイルが、あなたの体の中にいつの間にか脂肪となって蓄積されていったのでしょう。
そして、なまじ着ヤセして見えるばっかりに、自分がかくれ肥満となっていたことに気づかず、今日まで過ごしてきてしまったのかもしれません。
しかし、そんな生活を続けていたら、早晩なんらかの成人病となってしまうのは必至です。そうとわかったらさっそく、かくれ肥満対策を立てましょう。

あてはまる○の数が5~14個「B級かくれ肥満」

そういえばこのごろ、前より体が重いように感じていた。そんなあなたは、かくれ肥満の中級者。ちょうど、そろそろ何か対策を講じないといけない頃です。
そのまま気づかずに過ごしていたら、体脂肪率はどんどんその割合を高めていってしまったでしょう。このぐらいの○がつく程度の人は、何か変だとは思っても、まだまだ大したことはないだろうとタカをくくりがちです。しかし、脂肪はつけばつくほど、さらなる脂肪を呼ぶもの。
生活習慣を直さないと、さらに脂肪体重を増やす結果にもなりかねません。このままの生活を続ければ、遠からぬ将来、あなたの体脂肪率は、危険値に達するでしょう。そうなったらタイヘン。最近気になりはじめたそのウエストやヒップラインも、さらにくずれていってしまうはずです。

あてはまる○の数が4個以下「級かくれ肥満予備軍」

あなたはまだかくれ肥満ではありません。しかし、体脂肪率はここ数年で徐々に増えてきている恐れがあります。体重は変わらずに維持できたとしても、ライフスタイルによっては、肝心の中身が筋肉かんじんから脂肪に置き代わってしまう可能性は大いにあるのです。
それを防ぐには、ちょっとでも脂肪がついたら、すぐに解消すること。あなたの場合、まだ脂肪のつき方は深刻ではないでしょうから、軽い運動をすることによって脂肪がつくのを防ぐことができます。
それに加えて、今から食生活のチェックをすれば、かくれ肥満にはならずにすむでしょう。
また、筋肉をつけることによって、あらかじめ脂肪がつきにくい体をつくっておくのも得策です。体力も向上し、健康維持に大いに役立つはずです。

体重だけではわからないわからない真の「かくれ肥満の正体

「かくれ肥満」と聞いて、どんなことをイメージするでしょうか?見た目にはそんなに太っていないように見えるけれど、本当は服で隠しているだけ。脱ぐとけっこうすごいのよという着ヤセ肥満?それとも、体重はまあ標準並み、もしくはヤセぎみだけど、全体にしまりがなくて…というブヨプヨタイプ?一口に太っているといわれている人たちは、いろいろな形で分類されます。
自分で自覚している肥満の種類が異なっているケースも多々あります。

「固太り」とか「筋肉質タイプ」「水太り」 等々、ダイエットの話をしているときなどに、ごく当たり前のように出てくるのではないでしょうか。
しかし実は、太っているかどうかを決めるのは、たった1つの基準だけなのです。それは何か。体の中にある脂肪の割合。これだけが、肥満か否かを決めるのです。

脂肪があるから太っている…なんて、安易に考えてはいけません。体の中に脂肪がたくさんあるからといって、見かけも太っているとは限りません。つまり、今までヤセ型だと思っていた人の中にも、肥満がいる、ということなのです。

飽食の時代といわれる現代では、太ることに対する恐怖や羞恥心はたいへん強くなっています。特に、それは若い女性に顕著です。
若い世代の憧れである女優やタレントなどは、細い手足に高い腰の位置、小さな顔が条件。全身のバランスを重視するこれらのタレントたちが、10 〜20代の女性の「お手本」なのです。
もともと仕事でスレンダーを維持している人と一般人を同じ土俵で評価してはいけないのです。

だから、若い女性は、健康上の理想とされる「標準体重」より軽いにもかかわらず、もっともっとヤセたいと願っています。

ところが、標準体重を超え、ヤセなければ成人病の危険がある中年以降の女性に限って、「もう年だから、どうだっていいわ」「ヤセろなんてよけいなお世話」と、ダイエットに対する関心が低くなってしまっています。

厚生省の統計によると、中年女性の約20~25% が肥満といわれています。しかも怖いのは、中年女性の場合、なぜか明らかに太っていても、「このくらいふつうでしょう?私は肥満というほどではない」と思っている人がけっこう多いことです。

肥満の治療は同時に、成人病の予防と治療でもあります。しかし、自分の肥満に気づいていなければ、スタート地点にも立てません。ましてや、標準体重以下の人で、自分の肥満度を気にする人がどれほどいるでしょうか。まずいないと言っていいでしょう。
しかし、実際は標準体重かそれ以下でも、体脂肪率(体の中の脂肪の割合) が高く、肥満者と同じように、成人病になる危険のある人が少なくないのです。体重は標準以下でも肥満といえる人=かくれ肥満者の特徴は、外見はそれはど太っていないにもかかわらず、体の中には肥満者と同じくらい体脂肪がついている。ことです。

体脂肪は、体に対していろいろな悪さをし、さまざまな成人病の原因となります。ふつうの肥滞者は、外見からも体脂肪が多いことがわかりますから、たとえ自覚してなかったとしても、医師から注意を受け家族からも注意を受けたります。しかし見た目が太っていないかくれ肥満は、自分の脂肪率の高さなど知るよしもありません。
また、他人からも太っているとは思われないので、知らない間に成人病を進行させてしまう危険が、ふつうの肥満者よりもはるかに大きいのです。あなたは、自分が「かくれ肥満」でないと言い切れますか?