皮下脂肪より問題をかかえている内臓脂肪

体の中の脂肪というと、真っ先に思い浮かぶのが皮下脂肪でしょう。これは文字通り皮下について、体を外界との温度差から守ったり、ぶつかったときの衝撃を吸収する役割を果たしています。

女性は皮下脂肪がもともと多く、そのためにふっくらと丸みを帯びた女性らしい体型がつくられています。また、皮下脂肪は、妊娠や出産、飢え、消耗性疾患(肺炎や結核など体力を消耗する病気) の際、生命を維持するのに必要なエネルギー源にもなる重要な組織です。
体脂肪にはもう1つあり、それは内臓脂肪と呼ばれます。こちらは、内臓の周囲につくもので、どちらかというと中年以降につく傾向があります。皮下脂肪と異なり、これといった役割がなく、余分なエネルギーの貯蔵庫として存在しているといわれています。成人病を引き起こす原因となるのは、主としてこちらの体脂肪です。皮下脂肪も内臓脂肪も、つく場所が異なるだけで、どちらもまったく同じ脂肪です。

人間は、外界から取り入れた栄養をエネルギーに変えて生きています。このとき、取り入れた量が使った量よりも多かったとき、体はそれを脂肪に変えて体内にため込み、次にエネルギーが不足したときのためにとっておこうとします。
これが体脂肪なのです。体脂肪は、脂肪細胞が集まってできています。この脂肪細胞は、ふつうの人で30億個くらいあり、小さな小さなイクラのような形をしていて、中には中性脂肪がつまっています。

脂肪細胞は100倍くらいまで膨張できるため、食べ過ぎて中性脂肪がたくさん作られれふくば、それを取り込んで1つひとつの脂肪細胞が大きく膨らみます。それが太った状態なのです。

よく「私は固太りだから、なかなかヤセないんです」「私は水太りで、ブヨブヨしてしまりがなくって」などという人がいますが、固いか柔らかいかは、脂肪の質ではなく、筋肉のつき方の違いもによります。
よく、お風呂で操むと、お腹の脂肪が柔らかくなるといいますが、あれは脂肪ではなく、腹筋が柔らかくなるのです。「長年太っているから、古い脂肪がガンコで取れないみたい」などと言う人もいますが、脂肪は地層ではないので、そんなことはありません。

ただ、子供の頃から太っていると、脂肪細胞の数が、ふつうの人より増えてしまうので、ヤセにくくはなります。脂肪といっても、体脂肪はラードやバターとは遠い、非常に丈夫な組織で、撮んだり、たたいたりしたぐらいでは、こわれません。

脂肪がなくなるのは、エネルギーとして消費されたときだけです。ロウソクが燃えて光のエネルギーとなるとき、ロウは溶けて消失しますが、体脂肪も同じです。歩いたり走ったりするとき、心臓や消化器官を動かすとき、あるいは体温を維持しょうとするとき、皮下や内臓周辺にたくわえられた脂肪がエネルギー源となるわけです。

ふつうの肥満者の場合、皮下脂肪と内臓脂肪の両方が問題になりますが、かくれ肥満の場合、問題となるのは内臓脂肪のことが多いようです。
内臓脂肪は運動不足の人に多く、中年以降につく傾向があり、成人病の原因となる危険なものです。1度ヤセて、リバウンドしたときつく脂肪も、ほとんどがこの内臓脂肪です。ある程度必要な皮下脂肪と違って、人間にとって無用ともいえる内臓脂肪をいかに落とすかが、かくれ肥満からの脱却の大きな柱といえるでしょう。

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