ローカーボダイエット

ローカーボダイエット 米国で人気のダイエット方法です。どんなダイエット方法か紹介します。ローカボダイエットのメリットやデメリットについて紹介します。

ローカーボダイエット 炭水化物の摂取を制限

現在、米国では、炭水化物の摂取を制限する 「ローカーボダイエット」 が大流行しています。これまでも、「ニューアトキンスダイエット」に代表される、いくつかのローカーボ・ダイエット(低炭水化物ダイエット」)が知られていました。

しかし、低炭水化物ダイエットは、いい換えれば「高脂肪高タンパク食」であるため、それに対して批判的な専門家も少なくありません。

ところが、最近1~2 年の間に発表された臨床試験によって、低炭水化物ダイエットの有効性を示すデータが示されるようになりました。つまり、低炭水化物ダイエットのほうが、従来型の「低脂肪ダイエット」よりも減量効果が大きく、脂質代謝を改善するという予想外の結果が得られたのです。

さらに、低炭水化物ダイエットでは、除脂肪体重も維持される、つまり筋肉が減りにくいというデータも示されました。

我が日本では、糖質制限食が糖尿病の改善に非常に効果的であると注目されています。

現在、米国でホットな話題となっている低炭水化物ダイエットの効果と安全性を医学的に検証します。その上で、日本人向けにアレンジされた「ケトン体ダイエット」を紹介し、いわゆるダイエット・サプリメントの選び方についても紹介します。

低炭水化物ダイエットとは?

低炭水化物ダイエットとは、その名前のとおり、炭水化物の摂取量を制限した食事療法をさします。食事には3大栄養素として、タンパク質、炭水化物(糖質)、脂質(脂肪)がありますが、このうち炭水化物を制限することで、脂肪が主なエネルギー源として消費され、減量できるとするダイエット法です。
一般に、医療機関で行われる食事療法では、炭水化物を制限することはありません。脂肪摂取量と総エネルギー量を制限した低脂肪食が中心です。
一方、米国を中心に民間でのダイエット法として、さまざまな低炭水化物ダイエットが提唱されてきました。具体的には、ニューアトキンスダイエット、ゾーンダイエット、シュガーバスターズ、ケトン体ダイエット、サウスピーチダイエットなどが知られています。

米国で大人気の低炭水化物 ダイエット

現在、米国では、さまざまな低炭水化物ダイエットが大流行しています。外食チェーン店やファーストフード店が、低炭水化物ダイエットを実践している顧客のために、「ローカーボ・メニュー」を導入しはじめたことからも、その人気ぶりがうかがえます。
これまでに米国では、ネーミングの異なるたくさんの種類の低炭水化物ダイエットが流行してきました。それらの中では、ロバート・アトキンス医師によって提唱されたニューアトキンスダイエットがもっともよく知られています。アトキンスの著書は、1000万部を超えるベストセラーとなりました。

90年代以降に流行した低炭水化物ダイエットとしては、「ゾーンダイエット」や「シュガーバスターズ」などもあります。その後「サウスビット」が大流行しました。従来からの栄養学では、炭水化物は、摂取総カロリーの55~60%に相当することが好ましいとされています。そのため、米国心臓協会や米国栄養士協会などの専門家グループは、低炭水化物ダイエットは不適切な食事療法であるという見解を出してきました。しかし、専門家グループの否定的な見解にもかかわらず、低炭水化物ダイエットがあまりにも人気があるため、いくつかの臨床試験が行われました。それらの中には、低炭水化物ダイエットがいかに不適切であるかということを医学的に示す目的で行われた臨床試験もあったほどです。

そして、臨床試験の結果、低炭水化物ダイエットは、従来型の低脂肪食よりも減量効果が得られやすいことが示されたのです。さらに、中性脂肪の顕著な低下(改善)、総コレステロール値の低下(改善)、HDL(善玉)コレステロール値の増加(改善)といった脂質改善効果も明らかとなりました。現在、米国では低炭水化物ダイエットの効果や安全性をめぐるホットな議論が専門家の間で交わされています。

肥満者の増加と相関する炭水化物の摂取

過去20年間、米国では脂肪の摂りすぎが肥満の一因であるとして、低脂肪食が勧められてきました。いまでも、米国のスーパーの食料品売場では、「ローファット」や「コレステロール・ゼロ」といった表示が目につきます。
これが示すように、米国における肥満者は急増しており、現在では成人の60%がBMI25以上の肥満(米国の基準では肥満前段階)とされています。

では、米国人の食事内容はどう変化したのでしょうか。興味深いことに、脂肪の摂取量は過去20年間、減少しており、肥満者の増加に比例して増えてきたのは炭水化物の摂取量なのです。特に米国人の食生活では、精製された糖質、ポテトやコーンなどのデンプン質など、いわゆる「糖負荷」が大きい、言い換えれば、膵臓のインスリン分泌を促して脂肪を蓄積させる単純炭水化物の摂取が多いことが特徴です。

低炭水化物ダイエットは「高脂肪高タンパク」ダイエット

従来型の低エネルギーの食事療法では、標準体重と現在の体重との差を算出して、目標とする減量値が設定されます。しかし、低エネルギー・低脂肪の食事療法では、エネルギー出納差に見合った減量効果が得られないことも少なくありません。その原因として、低エネルギー状態に適応した基礎代謝の減少などが考えられます。また、適切な運動療法を伴わない食事制限は除脂肪体重の減少を起こしやすく、体重再増加(リバウンド)の要因となります。低炭水化物ダイエットは、総摂取エネルギーに占める炭水化物由来のエネルギーを5~40 %程度に制限するダイエット法です。ただし、厳密な定義はなく炭水化物を10%以下に制限するものを低炭水化物ダイエットとすることもあります。

たとえば、90 年代以降、米国でもっともよく知られているニューアトキンスダイエットは、1 日あたりの炭水化物摂取量を20g以下に抑えた超低炭水化物ダイエットです。また、サウスビーチダイエットは、ニューアトキンスダイエットとほぼ同じ内容です。さらに、ケトン体ダイエットは、日本人向けにアレンジされた低炭水化物ダイエットです。

ニューアトキンスダイエットなどの低炭水化物ダイエットは高脂肪高タンパク食であるため、医学界からは批判が相次ぎましたが、現在ではもっとも人気の高いダイエット法の1つとして定着しました。そして、低炭水化物ダイエットについての臨床試験の成績が報告されはじめたのです。それらは、当初の仮説に反して、低炭水化物ダイエットのほうが、低脂肪ダイエットよりも減量効果が大きく、除脂肪体重を維持し、脂質代謝を改善するという予想外の結果を示すものでした。

超低炭水化物ダイエットの効果が明らかに

「超低炭水化物ダイエット」では、炭水化物エネルギー比を10%以下に抑え、脂質由来のエネルギーが50~60%以上にも達します。超低炭水化物ダイエットについて厳密な定義はありませんが、一般的なエネルギー比は炭水化物10%以下、タンパク質25~35% 、脂質5~65%となります。具体的には、ニューアトキンスダイエットやケトン体ダイエットが超低炭水化物ダイエットに該当します。

この2年ほどの間に、超低炭水化物ダイエットの減量効果を検証した臨床試験が相次いで報告され、超低炭水化物ダイエットのほうが、低脂肪ダイエットよりも減量効果の大きいことが示されています。食事療法開始後の減量の早さおよび幅ともに、超低炭水化物ダイエットのほうが優れた成績です。
また、半年後の体重を比較した場合も、超低炭水化物ダイエットのほうが、リバウンドしにくいという結果が得られています。

さらに、低脂肪ダイエットに比べて高タンパク食となる超低炭水化物ダイエットでは、除脂肪体重が維持されるという結果も示されています。

超炭水化物ダイエットの脂質代謝改善効果

超低炭水化物ダイエットによる脂質代謝改善効果も報告されました。まず、炭水化物の摂取を極端に制限することから、中性脂肪値は顕著に低下します。また、総コレステロール値も低下が認められます。 一方、LDL(悪玉)コレステロール値については、わずかに上昇するケースと低下するケースとがあり、報告者によって一定していないようです。さらに、HDLコレステロール値は、超低炭水化物ダイエットによって上昇することが複数の臨床試験の一致した結果となっています。

超低炭水化物ダイエットの安全性

超低炭水化物ダイエットの安全性に関する懸念として、遊離脂肪酸およびケトン体による影響が考えられます。これらはいずれも中性脂肪が分解されて生じるため、超低炭水化物ダイエットにより遊離脂肪酸とケトン体の血中濃度が上昇します。

まず、遊離脂肪酸は、それ自体が不整脈発生の原因と考えられています。そのため、肥満者が摂取エネルギーの制限によって急速に減量する際には、遊離脂肪酸の血中濃度が上昇するので、不整脈に注意が必要とされます。
次に、ケトン体産生に伴う影響を懸念する議論もあります。しかし、超低炭水化物ダイエットによる軽度のケトーシスは、特に生体への悪影響は認められていません。これまでの臨床試験では、超低炭水化物ダイエットによる遊離脂肪酸やケトン体の発生に伴う障害は報告されていません。

超低炭水化物ダイエットが合う肥満者

現状のデータから判断すると、超低炭水化物ダイエットがもっともよく適するのは、合併症のない肥満者と考えられます。特に、従来型の食事療法では十分な減量効果が得られなかった肥満者は、試みるに値する食事療法といえるでしょう。
また、糖尿病や高血圧、高脂血症といった合併症のある肥満症患者についても、超低炭水化物ダイエットが適すると推測されますが、そのためにはさらに臨床試験を重ねる必要があります。なお、超低炭水化物ダイエットの2型糖尿病(体質と生活習慣の2つの要因が重なることで発症するもので、糖尿病全体の90数%を占める) に対する効果を示したデータが発表されています。

超低炭水化物ダイエットにおける課題

これまでのところ、日本人を対象にした臨床試験はまだ報告されていないという問題があります。特に、日本人特有の「エネルギー倹約遺伝子」の存在などを考慮するとき、欧米での臨床試験がそのまま日本人に当てはまるわけではありません。個人の体質を考慮すると、炭水化物の制限よりも脂肪の制限のほうが、減量効果が得られるというケースも存在するはずです。

さらに、臨床試験のデータが示されているのはニューアトキンスダイエットであり、それ以外のさまざまな低炭水化物ダイエットに関しては科学的根拠が必ずしも明確ではなく、中には明らかに不適切な内容のダイエット法も存在します。

たとえば、日本でも流行した「低インスリンダイエット」のような民間療法は問題です。肥満になる原因遺伝子は、個人により異なっているのは明らかです。そのため、同じカロリーを摂っても太りやすい人もいればそうでない人もいます。
また、従来型の低脂肪低カロリーを標準とする食事療法で、望ましい体重を維持できる人もいれば、リバウンドしてしまうケースもあります。

炭水化物、特に単純炭水化物の摂取が原因で肥満となるような「疾患感受性遺伝子」をもっている肥満者の場合、低炭水化物ダイエットがよく適しているといえるでしょう。少なくとも現代人は、単純炭水化物、精製された炭水化物の摂取がかつてないほど多くなっており、単に炭水化物由来のエネルギー比だけの議論でダイエットを論じることは困難といえます。

低炭水化物ダイエットに対する誤解

ニューアトキンスダイエットやケトン体ダイエットなどの超低炭水化物ダイエットでは、目標体重に達した時点で炭水化物の摂取量を次第に増やしていくプログラムになっており、炭水化物の極端な制限を継続するわけではありません。
また、高タンパク・高脂肪・低炭水化物となる超低炭水化物ダイエットでは、良質のタンパク質および良質の脂質の摂取が推奨されています。具体的には、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸やオリーブオイルなどを利用します。

さらに、低炭水化物の緑葉野菜も十分に摂り、水分も十分に摂取します。炭水化物については、複合炭水化物は勧められますが、単純炭水化物は避けます。なお、超低炭水化物ダイエットの代表であるニューアトキンスダイエットに関しては誤解が多いようです。たとえば、ステーキやベーコンなどをいくら食べてもよいが、野菜を食べないのがニューアトキンスダイエットであるといった誤った情報があります。

超低炭水化物ダイエットに対する誤解

低炭水化物ダイエットに対する反論として、まず長期間の成績が明らかではないという批判があります。しかし、それに対しても、最近の臨床試験で答えが出つつあるようです。米国の主流医学を代表する専門誌に臨床試験のデータが公表されてきました。
それらによると、確かに長期間の減量維持については容易ではありませんが、低炭水化物ダイエット・超低炭水化物ダイエットのほうが、従来の食事療法より優れた成績となっています。ただし、低炭水化物ダイエット・超低炭水化物ダイエットによる早期の減量効果は、体脂肪の減少ではなく、体内の水分移動の結果であるのは明らかです。

また、心血管リスクに関する長期的な懸念も議論されています。これに対しては、低炭水化物ダイエットでは、良質のタンパク質と脂質を摂取することを推奨しています。超低炭水化物ダイエットは、従来型の食事療法に比べて、中性脂肪値やHDLコレステロール値など、いくつかの心血管リスクを改善します。ただし、血圧やインスリン感受性、LDLコレステロール値には差を認めません。

現在のところ、中性脂肪およびHDLコレステロールに認められる変化に関して、臨床的な意義はまだ明らかではありません。つまり、低炭水化物ダイエットのように、飽和脂肪酸の摂取量が比較的多くなる食事療法によって心血管リスクが改善した場合、低脂肪低エネルギー食と同様に、リスクの軽減に応じた臨床的な予防効果が得られるのかは不明です。さらに、ニューアトキンスダイエットなどでは緑葉野菜を中心とした野菜類をできるだけ多く摂取するように勧めますが、一般に、超低炭水化物ダイエットでは、植物性食品の摂取が少なくなりやすいという問題もあります。

つまり、食物繊維やファイトケミカルの摂取が不足しがちです。したがって、超低炭水化物ダイエットにおける飽和脂肪酸摂取や植物性食品の相対的な不足などが、超低炭水化物ダイエットでの新たな心血管リスクとなることは否定できないとする意見もあります。ただし、これまでに報告された臨床試験の結果から判断すると、超低炭水化物ダイエットによって心血管リスクが上昇するとは考えられません。また、繰り返しますが、ニューアトキンスダイエットやケトン体ダイエットでは、良質のタンパク質や脂肪を選び、かつ緑葉野菜を積極的に摂取することを推奨しています。さらに、高タンパク質高脂肪食を続けるわけではなく、目標体重に達した時点で、炭水化物の摂取量を漸増するプログラムになっています。

ケトン体ダイエットについて

「ケトン体ダイエット」とは、2002年から2004年にかけて米国で発表された医学研究データに基づき、日本人向けに考案された「低炭水化物ダイエット」の1つです。

ケトン体ダイエット以外に、これまでにも数多くの低炭水化物ダイエットが提唱されてきました。これらの低炭水化物ダイエットに共通する減量のメカニズムとして、高タンパク低炭水化物食が、脂肪細胞に蓄えられている脂肪を利用するように代謝を促すという点があります。つまり、体がエネルギー源として利用できる炭水化物の摂取を少なくすることによって、体脂肪を消費することで減量を行います。このとき、特に問題となる副作用は認められず、リバウンドもしにくいとされています。ケトン体ダイエットは、これまでに提唱されてきた低炭水化物ダイエットを総括し、すべての医学研究データを検証した上で、構成したダイエット法です。

リバウンドを防ぐことは減量よりも困難

ダイエットで難しいのは、減量した体重を維持することです。単に体重を落とすことだけであれば、リンゴダイエットのような「単品ダイエット」による食事制限でも可能です。しかし、多くの流行したダイエットが廃れていくのは、一時的な減量には成功しても、そのあと結局リバウンドしてしまうからです。ケトン体ダイエットには、次のような特徴があり、継続することで、リバウンドを防ぐことができます。

  • 食欲を抑える
  • 基礎代謝を上げる
  • 筋肉を減らさないよう維持する
  • 体脂肪をエネルギー源として利用する
  • 血液中の中性脂肪値を減らし動脈硬化を予防する

燃焼系ケトン体ダイエット

「ケトン体ダイエット」とは、米国で発表された医学研究データに基づき、日本人向けに考案された「低炭水化物ダイエット」の1つです。
「ケトン体ダイエット」は、最新の臨床試験のデータに基づいた、「超低炭水化物ダイエット」であるという点で、これまでに提唱されてきた同類のダイエット法とは異なります。
ケトン体ダイエット以外に、これまでも数多くの低炭水化物ダイエットが提唱されてきました。

これらの低炭水化物ダイエットに共通する減量のメカニズムとして、高タンパク低炭水化物食が、脂肪細胞に蓄えられている脂肪を利用するように代謝を促すという点があります。つまり、体がエネルギー源として利用できる炭水化物の摂取を少なくすることによって、体脂肪を消費することで減量を行います。
このとき、特に問題となる副作用は認められず、リバウンドもしにくいとされています。
ケトン体ダイエットは、これまでに提唱されてきた低炭水化物ダイエットを総括し、すべての医学研究データを検証した上で、構成したダイエット法です。

リバウンドを防ぐことは減量よりも遙かに困難

ダイエットで難しいのは、減量した体重を維持することにあります。単に体重を落とすことだけであれば、リンゴダイエットのような「単品ダイエット」による食事制限でも可能です。しかし、多くの流行したダイエットが廃れていくのは、一時的な減量には成功しても、そのあと結局リバウンドしてしまうからです。
これまでに流行したオンリーダイエットの代表的なものです。

ケトン体ダイエットには、次のような特徴があり、継続することで、リバウンドを防ぐことができます。

  • 食欲を抑える。
  • 基礎代謝を上げる
  • 筋肉を減らさないように維持する。
  • 体脂肪をエネルギー源として利用する。
  • 血液中の中性脂肪値を減らし動脈硬化を予防する。
ケトン体ダイエットは2ステップ・ダイエット

ケトン体ダイエットとは、具体的には次のような方法です。

  1. 「ケトーシス期間」(体質改善+減量期間)
  2. 体重維持期間

の2つに分かれます。
1のケトーシス期間です。
ケトン体ダイエットでは、目標体重に達するまでの間(一般に、2週間から数週間程度以上。現在の体重と目標体重とのギャップによって異なる)、炭水化物の摂取を少なくします。具体的には、1日あたりの炭水化物の摂取を総カロリーの5%以内に制限します(つまり、1日あたり1800kcal摂っている人では、炭水化物の摂取量が25g以内に制限されます)。

最初の2週間から数週間程度、「超低炭水化物食」を続けることがケトン体ダイエットでもっとも重要なダイエットの「ケトーシス期間」です。この間に、体質が変化し、体脂肪がエネルギー源として利用されるようになります。なお、ケトーシスとは、「ケトン症」とも呼ばれ、体内でケトン体が増加している状態をさします。

次に、が2の「体重維持期間」です。
目標の体重に到達した後(一般には、2 週間から数週間後) は、少しずつ、炭水化物の摂取量を増やしていきます。具体的には、総カロリーに占める炭水化物由来のカロリーを、1 週間あたり1%ずつ増やします。つまり、1の「ケトーシス期間」では総カロリーの5% が炭水化物に由来するカロリーでしたので、2の「体重維持期間」では、最初の1 週間の食事において、炭水化物に由来するカロリーは6% 、次の週は7% 、その次は8 %というように増やすことになります。

体重維持期間のポイントは、最終的に、リバウンドしない量の炭水化物摂取量を見いだすことにあります。つまり、ケトン体ダイエットによって、せっかく体質を変えても、炭水化物を摂りすぎてしまうと、リバウンドしてしまいます。そこで、体脂肪を燃焼させ、リバウンドしない体質を維持するためには、自分の体質に合った炭水化物の摂取量を決める必要があります。

体重維持期間の炭水化物の摂取量は、個人のもっている遺伝素因によって規定されます。なお、炭水化物を増やしていくといっても、一般的には、炭水化物の摂取量が総カロリーの20%を超えないほうが、リバウンドを防ぐ点では効果的です。これは、その人のもっている「肥満関連遺伝子」の個人差に基づく体質の差なのです。

運動も必要

ケトン体ダイエットは、超低炭水化物食を基本とする食事療法ですが、運動も重要であると考えます。ケトン体ダイエットで変化した体質を維持しリバウンドを防ぐためには、1 日あたり20 ~30分くらいの運動を取り入れましょう。

かつては、1日20分の継続した有酸素運動が必要と考えられたときもありました。しかし、最近では、5分とか10分とか短時間の運動をこまめにすることでも、ほぼ同等の効果があることがわかっています。

ケトン体ダイエットで勧める食事は、筋肉をできるだけ落とすことなく、体脂肪を減らすという特徴があります。ケトン体ダイエットに運動を合わせることで、筋肉を維持しつつ、効果的なダイエットが可能になります。さらに、運動によるシェイプアップ効果も期待できます。

隠れた炭水化物には要注意

体に必要な3大栄養素は、タンパク質、炭水化物、脂肪の3つで○炭水化物は、単純炭水化物と複合炭水化物に分けることができます。単純炭水化物の特徴は、摂取すれば、すぐに消化・吸収されることです。具体的には、糖類やデンプン質などです。

複合炭水化物は、野菜などを摂取してから、消化するまでに時間がかかるものです。ケトン体ダイエットは超低炭水化物ダイエットですので、炭水化物の摂取を制限します。ですから、ご飯やパン、麺類などは避けるようにします。
また、果糖の多い果物類も、「ケトーシス期間」は要注意です。特に、単純炭水化物は、血糖値を変動させやすく、ケトーシス期間での減量効果を妨げます。菓子類や麺類といった消化されやすい炭水化物には注意しましょう。
また、調理済みの食材を購入する際は、調理によって炭水化物が使われていないか、チェックします。食材自体の炭水化物の含有量が少ない場合でも、みりんや糖類を調味料として使っている食品だとすると、知らないうちに炭水化物を摂っていることになります。

ケトン体ダイエットはオーダーメイド ダイエット

私たちの周りには、太りやすい人とそうでない人がいます。食事を減らしダイエットしても思うように体重の減らない人もいれば、「やせの大食い」といわれるように、いくら食べても太らない人もいます。同じカロリーを摂取しても体重に差が生じるのは、体質による差、いい換えれば、個人のもつ遺伝子(遺伝素因)の差に大きく影響します。

太りやすい体質の人が、食べすぎや運動不足などになりやすい環境で生活するとき、肥満となります。つまり、人の肥満は、遺伝と環境との両方に関連する「病態」なのです。適正な体重を維持する基本は食生活と運動習慣です。

また、サプリメント(栄養補助食品)を生活習慣改善薬として利用することも考えられます。
サプリでダイエットしたい
従来の医学・栄養学によって勧められている食事内容では、適正な体重を超えてしまう人も少なくありません。これは、個人に存在する遺伝情報による差のためです。ケトン体ダイエットは、従来の医学・栄養学による食事療法では減量できない人、これまでに提唱されてきたさまざまなダイエット法でリバウンドしてしまう人などのうち、健康上特に問題のない肥満の人に適切なダイエット法です。ケトン体ダイエットは、太りやすい体質の人に対するオーダーメイドのダイエットといえるでしょう。

ローカーボダイエット