糖尿病には糖質制限食が唯一無二の食事療法

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こうしたことをふまえれば、糖尿病の治療にはデンプン・砂糖などの糖質に注目する必要があります。糖質の摂取をおさえれば食後血糖値の上昇がなくなりますから、インスリンの追加分泌もはとんど必要なく、すい臓の負担も少なくてすみます。

なお、すでに糖尿病を発症している人は、インスリンを分泌するすい臓のβ細胞がその時点で1〜2割死んでいることが多いのです。適切な食事療法(糖質制限食)以外に、慢性すい不全ともいえる状態を防ぐ方法はないことを、肝に銘じなくてはなりません。

糖質を摂れば必ず食後高血糖を起こしβ細胞にダメージを与えるので、β細胞は年単位で徐々に死滅していきます。

糖質制限食を続けても低血糖になる心配はありません。糖質を制限すると、脂肪は常に燃えるようになり、肝臓ではアミノ酸や乳酸などから常に糖新生(新たにブドウ糖をつくること)をしています。ビーフステーキを食べている最中にも脂肪は分解されていますし、糖新生も行われています。

中性脂肪が分解すると脂肪酸とグリセロールになります。脂肪酸はそのまま、心筋や骨格筋など体細胞のエネルギー源となります。グリセロールは糖新生の原料になります。また、脂肪酸は肝細胞内で代謝されて、ケトン体がつくられます。

ケトン体は脳細胞をはじめ、肝細胞と赤血球以外のすべての細胞のエネルギー源となります。糖質制限食中や断食療法中は、ケトン体が多くつくられます。肝臓の糖新生は、空腹時には誰でも日常的に行われています。糖質制限食なら、食事中にも糖新生が行われています。

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