体内で生産できない必須アミノ酸と必須脂肪酸は、食べ物から摂らなくてはなりません。ビタミンも体内で合成できないものがはとんどで、食べ物から摂る必要があります。
これに対して、糖質は食べ物から摂る必要はありません。肝臓でアミノ酸などから糖新生によりブドウ糖を生成できるからです。
すなわち必須糖質は存在しません。それでは、人類の進化の歴史において、炭水化物(糖質)は何のためにあったのでしょうか?
実は狩猟・採集時代には、中性脂肪を蓄えることが糖質を摂る一番の役割だったと考えられます。前述のように、中性脂肪を体脂肪として蓄えておくことは、日常的に襲ってくる飢餓への唯一のセーフティーネットだったと考えられます。
そのため、運よく手に入れた野生の果物、ナッツ類などの糖質を体内に取り込み、それを中性脂肪に変えていたのです。
また、果物の果糖はブドウ糖にははとんど変わりませんが、吸収されて肝臓に至り、ブドウ糖よりすばやく中性脂肪になって体内に蓄えられます。
このように、糖質は貴重な中性脂肪蓄積のもとだったと考えられます。本来、中性脂肪を蓄えることが第一義だった糖質を、農耕が定着して以降は、日常的に摂るようになりました。さらにこの200年間は精製炭水化物を常食するようになったので、大量の追加分泌インスリンが出て、中性脂肪がたまりやすい体質になり、肥満やメタポリックシンドロームになりやすくなったのです。
中性脂肪を下げるための知識と習慣
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