では、農耕が始まる前の人類はいったい何を食べていたのでしょう?約700万年間、人類は狩猟・採集を生業としており、日常的な食料は、動物や動物の肉・内臓・骨髄、野草、野菜、キノコ、海藻、昆虫などです。

時々、たべることができたのは、木の実、果物、球根( 山イモなど)でしょうか。魚貝類、小食すなわち、高脂質・高タンパク・低糖質食です。糖質制限食における3大栄養素の割合は「脂質56% 、タンパク質32% 、糖質12%」ですから、これが「人類本来の食生活」に近い比率だと思います。

この700万年間は穀物がなく、日常的に摂取する糖質のはとんどが野草や野菜の糖質です。

古くから野草や野菜は日常的に食べていたと思います。このことは、人類がビタミンC を体内で合成できないことからも推察できます。

動物性食品だけでは、ビタミンCが必ず不足してしまうからです。野草にもビタミンC が豊富なものがたくさんあります。

ちなみに、現在、糖質制限食で野菜を摂ることは、ビタミンC を確保するためにも重要な意味を持っています。

皆さんも適量の野菜(最低ビタミンC 必要量)は必ず食べるようにしてください。ただし大量の野菜は糖質量が増えるので要注意です。

次に果物やナッツ類は、秋を中心に季節ごとに少量は手に入るので、当然食べていたと思います。もっとも、当時の果物やナッツは野生種ですから、現在食べているものに比べたら、はるかに小さくて糖質含有量も少なかったと思います。

そして、ジャガイモやサツマイモを人類が食べはじめたのは、農耕開始と同じ頃か、それ以降です。山イモなどの球根は、さまざまな種類が山のなかに自生していたと思われるので、たまに運よく採集できたら食べていたと思います。