糖質制限食を実践すると、血糖値や中性脂肪、コレステロール値など、さまざまな数値が改善します。ただ、これらの検査データは、はっきり一定の傾向が出るものと、そうでないものがありますので、まずはその変化を示しておきます。
病院の検査データを見慣れていない人には少し難しく感じるかもしれませんが、実際に検査や治療を受けたことのある人にとっては有益だと思います。
- 血糖値はリアルタイムに改善します。
- スーパー糖質制限食なら、ヘモグロビンA1Cは月に1〜2%改善します。
- 中性脂肪も速やかに改善します。
- H DL (善玉)コレステロールは増加しますが、増加の程度と速度には個人差があ
ります。 - LDL コレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。上昇した人も半年〜1年くらいで落ち着くことが多いです。
- 総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。上昇した人も半年〜1年くらいで落ち着くことが多いです。
- 尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ち着くことが多いです。
- クレアチニンは不変です。
- カリウムも不変です。
- 血中ケトン体は基準値より高くなりますが、生理的なもので心配ありません。
- 尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になります。
- 脂肪肝に付随するGPTや-GTP値も改善します。
LDLコレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、なぜそうなるのかはよくわかりません。H D L コレステロールはかなり増加し、LDL コレステロールは少し低下する場合もあります。
血中ケトン体が基準値より高いのは、糖質制限食を実践したことによる生理的な変化です。農耕開始前の人類のケトン体の基準値はこれくらいだったと考えられます。定期的な検査で、HD L-C は100 〜110mg、LDL-C は110~140mg、TC は210~250mgくらいで推移しています。