糖質制限食 虫歯や歯周病 予防効果 もあります。虫歯と歯周病は、歯を失う二大原因です。そして虫歯も歯周病も、最大の原因はプラーク(歯垢) です。うれしいことに、糖質制限食でプラークが減ります。
糖質制限食 虫歯や歯周病 予防効果
プラークはただの食べカスではなく、生きた細菌の塊です。歯垢中の細菌は、食物中の糖質を栄養源にしてどんどん増えていきます。プラークコントロールをせずに放置すると、細菌が糖質を分解してつくり出す酸や毒素で虫歯や歯周病が発症します。
プラークとは、歯や血管内などに付着する、細菌や食物の残渣などが固まって形成された薄い膜状の物質です。歯のプラークは、口腔内に生息する細菌が唾液中のカルシウムやリンなどの成分と反応して形成されます。プラークは歯の表面に付着し、細菌の代謝によって生じた酸が歯のエナメル質を溶かすことで虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。
血管内のプラークは、血管内膜に付着したコレステロールや脂肪酸、糖などが酸化されて形成されます。血管内プラークは、血管壁に圧迫や摩擦を与え、炎症を引き起こすことで動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病の原因となることがあります。
糖質制限食を開始すると、驚いたことに歯垢がほとんどできなくなります。これは、糖質制限食で細菌の餌がなくなり、兵糧攻めで繁殖できないので歯垢も激減するものと考えられます。
糖質制限食による効果
次は、ある女性の体験談です。
『たまに糖質(トンカツの衣など) を食べると、その日はテキメンに歯垢ができます。もともと歯は丈夫なほうでしたが、糖質を摂っていた頃は歯垢ができやすいほうで、毎年 1 回は歯医者さんに行き、たまった歯石を取ってもらっていました。 1 年間でこんなにできるのかというくらい、カチカチの歯石がたくさん取れたものでした。歯垢に唾液中のカルシウムが結びつくと歯石になります。したがって歯垢がなくなったら歯石もかなり少なくなって、歯医者さんはびっくりしていました。もちろん、最低限のプラークコントロールはしています。超音波歯ブラシと歯間ブラシで朝 1 回 3 分間くらいの手入れと、食後は通常の歯磨きを 30 秒くらいしています。虫歯は右の奥歯を 1 本、学生時代に 1 回だけ治療していますが、あとはまったく治療歴はありません。そして歯は全部残っており、歯周病もありません。』
糖尿人は歯周病を起こしやすいことが知られています。糖質制限食で歯垢を減らして、最低限のプラークコントロールも実施して、虫歯や歯周病の予防を目指しましょう。
もちろん糖尿病以外の人も、糖質制限食でプラークを減らすのはとてもいいことです。