ヘモグロビンA1C 5.2 % は安全領域と言えるのでしょうか。14年前の2010年、糖尿病の診断基準が大きく変わりました。以前は参考所見だったヘモグロビンA1Cが、診断基準として加わりました。ヘモグロビンA1Cの数値が糖尿病を診断する際に重要な条件となったのです。
ヘモグロビンA1C 5.2 % のとらえ方
ヘモグロビン(Hb)とは血液中の赤血球に存在するタンパク質のことで、このうちブドウ糖と結合したものをヘモグロビンA1Cといいます。ブドウ糖はタンパク質と結合しやすい性質があり、赤血球が全身をグルグルめぐる間にヘモグロビンにブドウ糖がくっついてきます。
血液中にブドウ糖が多いと、それだけヘモグロビンA1Cがたくさんつくられます。一度くっついたブドウ糖は、赤血球の寿命である約120日間、けっして離れることはありません。血糖値の高い状態が長く続けば、ブドウ糖と結合したヘモグロビンがたくさんつくられ、ヘモグロビンA1Cの数値は高くなります。
赤血球の寿場合は約 120 日ありますので、過去にさかのぼってどのくらいヘモグロビンA1C がつくられたかがわかります。だいたい直近 1 ~ 2 ヶ月の平均の血糖状態を表現しているとされています。このヘモグロビンA1C が 6.1 % 以上の人は、2010 年から血糖値や臨床状態を参考にしたうえでならば糖尿病と診断してよいことになりました。
ちなみに 5.2 ~ 6.1 % 未満は要指導、5.2 % 未満は正常です。人間ドックに行ったことのある人ならご存じでしょうが、人間ドックでは多くの場合、ヘモグロビンA1C は 5.8 % から異常として検出されます。しかし特定健康診査(別名メタボ健診) では、5.2% から異常として検出されています。なぜでしょうか。
特定健診は動脈硬化(この場合は糖尿病)になりやすい人を検出しますが、人間ドックは、ほぼ糖尿病と思われる人を検出するからです。同じ健康診断でも、目的が違うと基準もまったく異なるのです。そうすると、人間ドックなどで5.8% 以上を検出しているのは、糖尿病を見つけるという意味ではおおむね妥当な話かもしれません。
では、人間ドックでは検出されないけれど、特定健診で検出される 5.2 ~ 5.8 % 未満の人は、どんな人なのでしょう。私自身、非常に興味があったのでいろいろ調べました。
しかし5.2%を基準とするためのはっきりした根拠は見いだせませんでした。ただ、200 例程度の少ない自験例から検討してみると、ヘモグロビンA1Cは5.4 %なのにブドウ糖負荷試験(ブドウ糖75 gが入ったジュースを飲み、飲む前、摂取の30 分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定して、血糖値の上がり具合を見る検査) で糖尿病の方はいましたし、健診でヘモグロビンA1C 5.2% 以上だった人の食後1〜2時間の血糖値を調べてみると、180 mg/dl を超える食後高血糖パターンの人を約半数近く認めました。もちろん、6.1% に近づくにしたがって、その出現率も高くなるわけです。
つまり、ヘモグロビンA1C 5.2~5.8% 未満の人は、おそらくまだ糖尿病にはなっていないけれど、食後高血糖糖尿病予備軍(境界型糖尿病) になっている、あるいはそれに近づいている可能性が高いと考えています。ですから、ヘモグロビンA1C 5.2% はおそらく、食後高血糖が出現し始める数値なのです。そして実は、食後高血糖は糖尿病と同じくらい、心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性が高いのです。
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