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かくれ肥満が引き起こす成人病の本当の怖さ

「成人病=生活習慣病」のとおり、生活習慣病は、長年にわたる生活習慣のゆがみが積み重なった結果起こ
っている病気です。これを防ぐ節度ある健康習慣に、以下の7 つが提唱されています。

  1. 適正な睡眠時間
  2. たばこは吸わない
    現在、吸っている場合はすぐに禁煙です
  3. 適正な体重を維持する
  4. 過度な飲酒はしない
  5. 定期的に運動する
  6. 間食をしない
  7. 朝食は毎日食べる
    朝食の大切さはこちらにあります。

このような健康習慣の数が多いほど、病気が少なく寿命も長いそうです。この健康習慣を見て、何か気がつきませんか?
そうです。ほとんどかくれ肥満の予防法と一致しているのです。

つまり、かくれ肥満にならないように気をつけていれば、生活習慣病も予防できる、逆にいえば、かくれ肥満になる生活習慣は、病気に結びつきやすい、ということです。それは、かくれ肥満では、CTスキャンでしか見ることのできない、生活習慣病の原因になる内臓脂肪がつくからです。

成人病=生活習慣病は、初期にははっきりした自覚症状が現れないことが特徴です。怖いのは、自覚症状がないため、自分が病気にかかっていることになかなか気づかず、ようやく気づいたときにはもはや遅すぎた…というケースが多いことです。
ですから、たとえ標準体重以下のあなたも、日頃から体脂肪がつきすぎていないかどうかをチェックすると同時に、生活習慣病の兆候が現れていないかも、チェックしておく必要があります。
体脂肪率が多いために起こる生活習慣病には、どんなものがあるのでしょうか。
ここでは、それぞれの生活習慣病の特徴とかくれ肥満との関係を簡単に解説します。自分の現在の体調と照らし合わせ、兆候がないかどうか確認してください。

  • 高血圧
    高血圧では、血液が血管の中を流れるときにかかる圧力が強まり、血管に大きな負担がかかるため、動脈硬化を促進します。放置しておくと、心筋梗塞や脳出血を引き起こしてしまいます。かくれ肥満で脂肪が増えると、脂肪組織にまわる血液量が増加し、また、末梢まで血流が流れにくくなるので、その分だけ心腹のポンプが強く働かなければならなくなります。したがって、心臓にも負担がかかります。高血圧は自覚症状がないまま進行してしまうので注意しなければなりません。
  • 糖尿病
    糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)の量を調節する、インスリンというホルモンがすいぞう不足するために、血糖値が異常に高くなってしまう病気です。
    インスリンは膵臓で作られて血液中に出てくるのですが、初期の糖尿病患者の血液中のインスリンを計ると、逆に正常より高くなっていることがあります。太ったり、食べ過ぎたりすると、インスリンの働きが悪くなり、膵臓がインスリンをたくさん出さなければいけなくなるからです。肥満と糖尿病には、深い関係がありますが、特に内腋脂肪があると、インスリン抵抗性をよけい悪化させてしまいます。
  • 脳卒中
    脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりすることによって起こる障害の総称で、「脳出血」と「脳梗塞」に分けられます。突然、脳の血管が破れ、脳の中に出血するこれが脳出血。当然、脳の組織が破壊され、運が悪ければ死亡、あるいは半身不随や言語障害などの後遺症を残します。脳出血は何の前ぶれもなく起こります。血圧が非常に高く、医師から注意を受けているような人なら、いつ発作を起こして倒れ、その日から意識不明となっても不思議ではありません。
  • 心臓病
    心臓は、身体の中の、いわばポンプの役目をしていて、1日約10万回も収縮をくり返し、全身に血液を送り出しています。そのために必要な酸素や栄養は、心臓のまわりの冠状動脈という血管から運ばれます。ところが、この冠状動脈に動脈硬化が起こると、血液の流れが悪くなり、酸素や栄養が足りなくなって、痛みの発作となって現われるのです。これが狭心症という状態です。もっと動脈硬化が進行し、血管が塞がってしまうと、栄養不足で心臓が腐ってしまいます。
  • 脂肪肝
    肝臓に含まれている脂肪が、異常に増加した状態を脂肪肝といいます。いわゆるフォアグラの状態です。脂肪肝では、他の生活習慣病と同様、自覚症状はほとんどありませんが、放置しておくと、次第に肝臓は変形し、機能も低下します。この段階が慢性肝炎です。だるさや不快感を訴えますが、こうなると、たとえ脂肪を落とす治療をしても、肝障害は二度と消えなくなってしまいます。肝臓の働きを助けるシジミ
  • ガン
    ガンは太っている人がなりやすい…というと驚く人もいますがガンにならないために「食べ過ぎを避け、脂肪は控えめにするはガン予防では当たりまえの習慣です。まず大腸ガン。日本は、もともと大腸ガンの少ない国でしたが、最近は、急速に増え、数十年前に比べると、発生率は3倍以上に激増しています。これは、欧米化した食生活、高脂肪食(特に動物性食品からの脂肪) と低食物繊維食が原因といわれ、ハワイの日系人の大腸ガン発生率は、日本の2.5倍も多いそうです。次に乳ガン。女性のガンの中で最も多く、発生率、死亡率ともにトップです。更年期以後では、肥満者の発生率が普通の人に比べて3倍も多く、厚生省では、肥満を乳ガンの危険因子の1つとみなしています。
  • 骨粗鬆症
    かくれ肥満は、この骨租軽症とも密接な関係があります。かくれ肥満には、ダイエットを繰り返していた人が多いのですが、若い頃無理なダイエットをしてカルシウムが不足すると、骨lが十分に増えず、こういう人が更年期を過ぎて骨量が減ってくると、骨租軽症になりやすくなるのです。骨粗鬆症になりやすい人についてはこちらです。生活習慣を変える必要があります。
  • 関節障害
    ほとんどが膝の関節に起こり、変形性膝関節症と呼ばれています。太っていると、長い年月の間に膝の関節に負担がかかり、骨と骨との間のクッションの役目をする軟骨がすり減ってしまいます。立ったり坐ったり歩いたりすることにより、膝関節には、力学的には体重の10倍もの力がかかります。これでは、肥満者の膝はたまりません。

成人病=生活習慣病

最近、厚生省を中心として、成人病を「生活習慣病」と呼ぼうとする動きがあります。それは、従来の成人病に対する「早期発見・早期治療」という姿勢を一歩進めて、成人病そのものにかからないように、成人病を予防しようという考え方が主流になってきているからです。

また、日本人の食生活をはじめとするライフスタイルの変化にともない、従来は成人だけがかかるとされてきた糖尿病、高血圧、脂肪肝などといった病気が、最近子供にまで出始めていて、成人病という名前が現実と合わなくなってきたことも理由のようです。

この生活習慣病という言葉は言いえて妙で、実にピッタリした表現だと思います。成人病はすべて、食べすぎや飲みすぎ、運動不足や睡眠不足、喫煙といった悪い生活習慣から生まれます。生活習慣といっても、食習慣だけではありません。遊びや仕事など、あらゆる場面での生活習慣が、病気の原因となります。生活習慣病の多くは、かくれ肥満と密接な関係があります。これらの生活習慣病に共通するのは、初期には痛みなどの自覚症状がほとんど出ないことです。

病気は体の奥深く静かに、しかし確実に進行します。周囲にもわかりにくいため、病気によっては、危険な状態に悪化するまで、本人も周囲もまったく気づかないこともあります。

これは、かくれ肥満の進行の仕方とまったく同じです。かくれ肥満も、生活習慣病も、自分が気づかない、悪い生活習慣が作り出します。成人病というと、年とともに身体が老化していくことで起こる、避けることのできない病気という感じがしますが、生活習慣病と呼ぶ場合は、悪い生活習慣のゆがみを改善しさえすれば、よくすることができる病気、という意味が含まれています。

つまり、自分で治せるのです。また、よい生活習慣を身につけ、日常生活を規則正しいものにすることで、はじめから予防することもできるのです。

脂肪率=死亡率 比例する

かくれ肥満を放置して脂肪率がますます高くになるにつれて、死亡率も同時に高くなる…
これは非常に怖い現象です。
しかしこれは決して『言葉のしゃれ』ではなく事実なのです。標準体重を基準とした場合、肥満者は非肥満者と比べて糖尿病の発症率で5倍、高血圧は3.5倍、心疾患では2倍など成人病の発症率が明らかに高くなっています。
そのうえ肥満者には乳がんや大腸がんも多いことがわかっています。
また、脂肪率で見た場合は、脂肪率25%を超えるあたりから成人病の発病率が多くなり30%を超えるとはっきりと発病率が増加します。
かくれ肥満も含めれば、肥満者の成人病発症率はさらに高まります。

これらの病気はすべて慢性化すると、寝たきりとなったり、死に結びつく危険性があります。まさに「脂肪率が高ければ死亡率も高い」のです。

肥満者がかかりやすい成人病は、糖尿病、胆石症、痛風、心疾患、関節障害、不妊症などがあります。

「たかが肥満」「年相応の貫禄」などと軽く考えられがちな肥満が、実はこんなに死に近いものだとは、夢にも思わない人が多いでしょう。
しかし、肥満を放置すれば、死に近いところにいるということなのです。もちろん、かくれ肥満も例外ではないのです。それなのに、かくれ肥満者の多くは、自分の肥満に気づいていません。こんな人たちこそいちばん危険なのです。

こんな生活習慣が「かくれ肥満」を呼ぶ

明らかな食べすぎや運動不足だけでなく「自分では気づかないようなささいな行動の繰り返しが、人を太らせているのです。かくれ肥満も含めて、すべての肥満には原因があります。
理由もなく太る人はいません。あなたの体脂肪を増やしてしまったのは、どんな行動だったのでしょうか。

お菓子がごはんがわり

女性にありがちなのが、「ちゃんとした食事をとらないで、お菓子のようなもので代用してしまう」こと。これは、一人暮らしの若い女性だけでなく、昼間一人になる主婦にも見られます。自分1人のために1食分の食事を用意するのが面倒で、ケーキやスナック、果物だけで朝やお昼をすませてしまうのです。
これでは、食事と間食の区別がつかなくなります。このような食生活を毎日のように繰り返していると、必要な栄養素が不足してしまいます。
しかし、お菓子類には糖分や脂肪分が多いため、カロリーは、食事以上にとっているケースが多いのです。
食事をしっかりととっていないため、本人はたくさん食べたという意識がなく、知らないうちにカロリーをとっていることになります。お菓子を食事代わりに食べることは、カロリー多くて栄養足りず、というお粗末な食生活を意味します。
また、朝、昼を軽くすませると、お腹がすいて夕食がどうしても多くなってしまいます。そして、それがかくれ肥満を作り出しているのです。
こんな食生活を送っているあなた、体重が変わっていないとしても、体の中はおそらくタンパク質不足のため筋肉が落ちて、そこが脂肪に置き代わっていることでしょう。
鉄分やビタミンなども不足しますから、貧血になったり肌や髪のツヤがなくなり、外見の魅力が失われてしまいます。また、カルシウムが不足すると将来、骨租軽症になる危険もあります。

たとえ自分1人だけの食事でも、量をとりすぎず、それでいて充実した食事を心がける食習慣を維持すれば、かくれ肥満にはなりません。そのためには、たとえば1品だけでも作ってみるとか、少しずつ変えていきましょう。食事をおろそかにしないことが、健康と美しさへの道なのです。

ルーズな洋服が大好き

「ゆったりした服は、着心地もいいし、動きやすいから大好き!」と、ルーズな服ばかりのあなた。実は、体型が崩れはじめているのではありませんか?
ウエストがうまく隠れる丈の上着や、ロングスカートなど、着ヤセする人の中には、それをうまく利用して、上手に体型の崩れをカバーしている人がいます。
上手なおしゃれは結構なことですが、体型をカバーすることが、自分の健康状態からも目をそらすことになっているとしたら困りもの。
ラクな服ばかり着ていると、自分がかくれ肥満になっていることに気づかないからです。

だらだら歩いても脂肪は減らない

失礼な表現ですが、一見スマートに見えても、かくれ肥満者はやっばり「オバサン体型」になつてきています。太っている、というほどではないのですが、どことなくたるんでいるつまり、筋肉が落ちて、脂肪を支えきれなくなってきているのです。
オバサン体型の特徴としては、

  • ウエストのくびれがない
  • ヒップがたれている
  • 二の腕が太い

といったものがあげられます。これら体の基幹部についた脂肪は、服を着ていると見えないので、手足の先が細かったり、顔が小さいと、オバサン体型は日立たず、かくれ肥満に気づきません。
こういった体型の女性に共通するのは、動作が緩慢なことです。

立ち上がるときは、「ヨッコラショ」と、大儀そうに声をかけ、電車では必ず座ります。歩くときはややガニ股で手をダラリと下げて、背中を丸めてうつむきがちに歩いています。
これでは、カロリーはちっとも消費されません。体脂肪を燃焼させるためには、どんなスポーツよりもきびきび歩くこと」が重要です。まず、歩数計で1日に歩いた歩数を計ってもらい、その1~2割程度歩数を増やすことから始めます。言

手を振って視線を高くし、背筋を伸ばしてお腹に力を入れ、一歩一歩を大きく踏み出して元気に歩くことは、三日坊主のジョギングや中途半端なテニスなどより、よほど効果的です。歩くことだけでなく、毎日の動作を今までより少しでもきびきびと、オーバーぎみにしてみてください。それだけで、かくれ肥満は少しずつ消えていくはずです。

お風呂場に鏡がない

あなたのお宅のお風呂場には、鏡がありますか?実は、脱衣所に鏡を置くだけでヤセられる、と言ったら信じますか? 置くのは顔だけを映す小さなものではなく、全身が映る姿見サイズの鏡です。もし、鏡がないのなら、さっそく今日から置いてみてください。

かくれ肥満者は、服を着ている限り、なかなか体型の変化がわかりません。他人からわからないのはもちろん、ルーズな服を着て生活していると、自分でもウエストが太くなったのに気づかないことがあります。
そんなかくれ肥満者がとりうる自衛策は、自分で脂肪のつき方の変化をチェックすることです。
そのためには、自分の体型に敏感になることが欠かせません。そのもっともてっとり早い方法は、お風呂上がりに全身を鏡に映して見ることです。
いかに着ヤセするかくれ肥満者も、裸になれば逃げも隠れもできません。ウエストに脂肪がついていないか、ヒップがたれてきていないか、自分の日で厳しくチェックしてみてください。肥満は、1日1日の生活の積み重ねの結果です。毎日、自分の体型を厳しく見つめることによって、たるみやゆるみにも早く気づきます。気づいたらすぐに対応していれば、脂肪はすぐに落とすことができます。最もすぐれた肥満予防策は、裸の自分と向き合うことといえるでしょう。

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メリハリのない生活が習慣化している

「別に趣味もないし、食べることが一番の楽しみなんです。ヤセるために、唯一の楽しみを失うなんて… 」と嘆く人がいます。
打ち込めるような仕事や趣味もなく、友達とは何か食べる目的でしか集まらない! こういう生活を送っていると、何事もおっくうになって、動作も緩慢になり、運動も不足し、楽しみは食べることぐらいになってしまうものです。
特に、中年以降の女性の場合、夫は仕事に忙しく、子供は自立して、気がつくと自分だけ一人家の中にとり残されたような気分になり、寂しさやストレスが食べものに向いてしまうことが多いようです。そのうえ更年期前後のホルモンのバランスの乱れから、内臓脂肪がつきやすく、かくれ肥満が増えてくるのです。どんなことでもいいですから、何か楽しめる趣味を持ってみてはいかがでしょう。
生活にメリハリを作ると、ストレス解消になると同時に消費カロリーも増え、体脂肪を減らすよいきっかけになるはずです。

お腹の中

大病でもしなければ、自分のお腹のCT画像など見る機会はあまりありません。ここで、お腹の中がどうなっているか、CT写真で黒く写っているところが脂肪で、白く写っているところは筋肉や内臓です。
正常な人の写真、肥満タイプの人、かくれ肥満の人のCT画像を比べると、どちらの写真でも、黒いところばかりで白いところが少ししか見えません。しかもかくれ肥満では、成人病の原因となる内臓脂肪がいっぱいついています。
こうした写真のかくれ肥満の人の体重はちょうど標準体重で、外見はちっとも太って見えません。このように、皮下脂肪と違い、内臓脂肪は外からはわからないので、よけい怖いのです。

体脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪があります。皮下脂肪は一般に女性に多く、内臓脂肪畑は男性と中年以降の女性に多いのが特徴です。
両者のうち、特に体にとって有害なのは、成人病の原因となっている内臓脂肪です。肥満には、皮下脂肪が多いタイプと内臓脂肪が多いタイプと、その両方が多いタイプがあります。

皮下脂肪が多い場合は、見た目にも太っていることがわかるので、あまりかくれ肥満にはなりません。かくれ肥満の場合、皮下脂肪は比較的少ないが、内臓脂肪が多くなっている可能性が高いでしょう。
つまり、脂肪は体の奥深く隠れているわけです。そして、健康の観点からは、かくれ肥満の方が深刻なのです。皮下脂肪は、体温を保ったり、エネルギーの貯蔵庫としての役割を果たしていますが、内臓脂肪にはどのような役割があるのかは、まだはっきりわかっていません。
どちらかというと、余ったカロリーを脂肪として一時的にためておく臨時の貯蔵庫のような存在らしく、その証拠に、脂肪を燃焼させようと運動を始めた場合、真っ先に消費されるのはこの内臓脂肪です。運動やカロリー制限をしても、皮下脂肪がなかなか取れないのに比べ、内臓脂肪がかくも簡単になくなってくれるのは、それだけ体にとって不必要な存在だからではないかと思われます。

内臓脂肪は、内臓と内臓の間の腸間膜などにくっつき、増えるとお腹のなかにピッシリこびりつきます。これは、外科手術のときなども非常にやっかいで、たとえば内臓脂肪と肥満型肥満者の胆石の除去手術をするときは、胆嚢を捜すのが一苦労です。

執刀医は、ピッシリついた脂肪をかきわけ、必死に胆嚢のありかを探らなければなりません。まさに手さぐり状態です。

皮下脂肪は、美容外科では吸引して除去することもありますが、内臓脂肪はそんなことはできません。内臓脂肪をなくすには、脂肪を燃焼させる、つまり摂取カロリーを制限するか、運動して消費カロリーを増やすしかないのです。かくれ肥満者は、若い頃はいかにヤセていたとしても、今では立派な内臓脂肪の持ち主です。

重要なのはなぜあなたがかくれ肥満になったのかと、かくれ肥満が招く恐ろしい結果を紹介します。どうすればかくれ肥満が解消できるのかがポイントです。

痩せると病気になるという誤解

よく、年配のかくれ肥満の方に、少しヤセるように言うと、「これ以上ヤセたら病気になっちゃう」「ヤセると貧相でみすぼらしい」などと言って、なかなか言うことを聞いていただけないことがあります。
特に50歳以上の方にこの傾向が多いようです。しかし、これは大きな誤解です。たしかに、50歳以上の方たちが育ったころの日本は、結核や肺炎などの病気が非常に多く、食糧もあまり豊富とはいえない時代でした。結核や肺炎などのカロリーを使う病気は、消耗性疾患といって、かかると発熱などで体力を消耗してしまいます。
ただでさえ食糧難の時代に、食事を残して栄養不良になると、抵抗力が弱くなり、これらの病気にかかりやすくなったことでしょう。ですから、出された食事は残さずに食べて脂肪をつけて、これらの病気に備えようというのが一般的でした。

ところが、今の日本は、病気の質も食糧事情もまったく違います。結核や肺炎などの消耗性疾患は影をひそめ、代わりに高血圧、糖尿病、狭心症、大腸ガンなど、食べすぎ、脂肪のつきすぎから起こる病気が急増しています。

しっけ飽食の現代では、昔の朕どおりに、出されたものを全部食べていたら、必ず脂肪過多になってしまいます。ですから、脂肪が足りなくて病気になる確率よりも、脂肪がつき過ぎて病気になる確率の方が、ずっと高いわけです。しかし今や太ることが病気を招く時代になったのです。それなのに、太ることが美徳だった時代に育った人は、いまだに発想を切り替えられずにいるのでしょう。
もちろん、70歳を超えると、体力が衰え、消耗性疾患にもかかりやすくなるので、脂肪はある程度必要になってきます。したがって、心臓病や関節障害などの肥満による害がなければ、あまりヤセる必要はありません。しかし、それまでは、発想を転換して、病気の予防のため、かくれ肥満をぜひ解消してください。

「同じカロリーの食事なのに年々太っていく」必然

脂肪がつく原因は、ただ1つ非常にシンプルで単純です。摂取カロリーが消費したカロリーよりも多かったためです。それ以外の原因はありません。これはふつうの肥満者も、かくれ肥満者も同じです。
それを承知していて、自分の1日の栄養所要量に見合った分だけを食べるように決め、食事の量を増やさないように気をつけている人もいます。
しかし、食事の量が増えなくても、人間は太ってしまうのです。それはなぜでしょうか?人間が1日に消費するカロリーは、2種類に分けられます。

  1. 運動代謝(生活代謝)>>>日常の動作や、運動したときに使われるもの
  2. 基礎代謝>>> 何もせず寝ているだけでも、体温を保ち、内臓を動かすといった、生きていくうえで最低限必要なもの

このうち、2の基礎代謝量は、25歳を過ぎた頃から徐々に減少します。だいたい、l日につき10kcal1年の合計で約3500kcalくらい減ります。脂肪組織1kgを燃やすのに約7000kcal必要なので、これは1年で合計約0.5kgの脂肪に換算できます。
「最低限必要なエネルギー」は年々脂肪0.5kg分ずつ不要になってくるわけです。つまり、今までと同じカロリーの食事をとっていると、運動量を増やさないかぎりは、1年に約0.5kgずつ太っていくことになるのです。

ですから、若い頃から健康に気をつけて、決まったカロリー内で食事を作るようにしていても、25歳を過ぎた頃から、少しずつカロリーが余分になってきます。その分は脂肪として身についていきます。ですが、年0.5kg程度とわずかずつですし、手足が細ければ、太ったことに気づかないかもしれません。
25歳を過ぎてから増えた体重というのは、ほとんどが脂肪です。よほど意識して運動をしていない限り、筋肉はつきません。そうすると、体脂肪率は気づかないうちにしだいに高くなっていきます。
かくれ肥満の人たちは、若い頃標準体重以下で、比較的ヤセていたため、徐々に体重が増えても依然としてスマートである場合が多いでしょう。
しかし、体脂肪率を計ってみたら30%以上あった… 。という人は少なくありません。そのまま気づかずにいると、さらに脂肪率が増えて、少しずつ成人病への階段を昇っていくことになるのです。

成人病のわかれ道、体脂肪率30%のライン

日本人の成人女性の場合、正常な体脂肪率の範囲は全体量の20~25 %だといわれています。これに対し男性は15~19%と、かなり少ない比率です。
この正常値に年齢は関係ありません。女性の方が体脂肪率が高いのは、女性の体の構造上、皮下脂肪が多いことなどが理由です。よく、冬山で遭難した場合、女性の方が救助される確率が高いといわれるのは、女性の方が体脂肪を多くたくわえているので、寒さや飢えに強いからでしょう。

また、乳房が特に大きい女性の場合は、乳房はほとんど脂肪でできているため、体脂肪率が多目に出ますが、これはかくれ肥満ではありません。
さて、脂肪率を体重に換算すると、たとえば体重55kgのA子さんの場合、体脂肪率が平均的な23% であれば、12.65kgになります。つまり、55kgの体重のうち、12.65kgは脂肪では、同じ体重で同じ身長の、体脂肪率32%のB子さんはどうでしょうか。この場合、脂肪体重は17.6kgにもなり、同じ体重でありながら、脂肪の重さはおよそ5kgも違います。
つまり、B子さんは、見た目はA 子さんと同じような体型でありながら、はるかに「太っている」といえるのです。実は、体脂肪率は、ある一定の値を上回ると、成人病の発病率が高くなることがわかっています。
女性では30%以上、男性では25%以上がその億です。同じ体重でも、B子さんはA子さんよりずっと成人病にかかりやすいということになります。

最近は「生活習慣病」と呼び方が変わりつつありますが、体脂肪率30%以上になることで増える成人病には、糖尿病、高血圧、高脂血症、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、脂肪肝、胆石症、痛風、骨粗鬆症、関節障害、大腸ガン、子宮体ガン、乳ガンなどがあり、放置すると、寝たきりになったり、最終的には死に至るといった深刻な結果を招く可能性が大きく、たかがかくれ肥満とあなどると、取り返しのつかないことになります。
ですから、30%(男性なら25%) を超えた体脂肪は、成人病になりたくないのならば、即刻減らさなければなりません。それでは、体脂肪率は低ければ低いほどいいのでしょうか?
スーパーモデルといわれる女性たちの体脂肪率はおそらく15%前後で、男性並みの低さでしょう。しかし、あまりに体脂肪率が低すぎると、環境の変化に弱くなったり、病気にかかったときの抵抗力がきわめて低くなり、健康上はあまりおすすめできません。

よく、スーパーモデルに憧れ、必要以上にヤセたいと思っている若い女性がいますが、健康のためにも、あるいは、「均整のとれたスリムな女性美」のためにも、脂肪率は20%をきらない方がよいでしょう。もっとも、このようなヤセ願望は、青春の一時期に限られます。

皮下脂肪より問題をかかえている内臓脂肪

体の中の脂肪というと、真っ先に思い浮かぶのが皮下脂肪でしょう。これは文字通り皮下について、体を外界との温度差から守ったり、ぶつかったときの衝撃を吸収する役割を果たしています。

女性は皮下脂肪がもともと多く、そのためにふっくらと丸みを帯びた女性らしい体型がつくられています。また、皮下脂肪は、妊娠や出産、飢え、消耗性疾患(肺炎や結核など体力を消耗する病気) の際、生命を維持するのに必要なエネルギー源にもなる重要な組織です。
体脂肪にはもう1つあり、それは内臓脂肪と呼ばれます。こちらは、内臓の周囲につくもので、どちらかというと中年以降につく傾向があります。皮下脂肪と異なり、これといった役割がなく、余分なエネルギーの貯蔵庫として存在しているといわれています。成人病を引き起こす原因となるのは、主としてこちらの体脂肪です。皮下脂肪も内臓脂肪も、つく場所が異なるだけで、どちらもまったく同じ脂肪です。

人間は、外界から取り入れた栄養をエネルギーに変えて生きています。このとき、取り入れた量が使った量よりも多かったとき、体はそれを脂肪に変えて体内にため込み、次にエネルギーが不足したときのためにとっておこうとします。
これが体脂肪なのです。体脂肪は、脂肪細胞が集まってできています。この脂肪細胞は、ふつうの人で30億個くらいあり、小さな小さなイクラのような形をしていて、中には中性脂肪がつまっています。

脂肪細胞は100倍くらいまで膨張できるため、食べ過ぎて中性脂肪がたくさん作られれふくば、それを取り込んで1つひとつの脂肪細胞が大きく膨らみます。それが太った状態なのです。

よく「私は固太りだから、なかなかヤセないんです」「私は水太りで、ブヨブヨしてしまりがなくって」などという人がいますが、固いか柔らかいかは、脂肪の質ではなく、筋肉のつき方の違いもによります。
よく、お風呂で操むと、お腹の脂肪が柔らかくなるといいますが、あれは脂肪ではなく、腹筋が柔らかくなるのです。「長年太っているから、古い脂肪がガンコで取れないみたい」などと言う人もいますが、脂肪は地層ではないので、そんなことはありません。

ただ、子供の頃から太っていると、脂肪細胞の数が、ふつうの人より増えてしまうので、ヤセにくくはなります。脂肪といっても、体脂肪はラードやバターとは遠い、非常に丈夫な組織で、撮んだり、たたいたりしたぐらいでは、こわれません。

脂肪がなくなるのは、エネルギーとして消費されたときだけです。ロウソクが燃えて光のエネルギーとなるとき、ロウは溶けて消失しますが、体脂肪も同じです。歩いたり走ったりするとき、心臓や消化器官を動かすとき、あるいは体温を維持しょうとするとき、皮下や内臓周辺にたくわえられた脂肪がエネルギー源となるわけです。

ふつうの肥満者の場合、皮下脂肪と内臓脂肪の両方が問題になりますが、かくれ肥満の場合、問題となるのは内臓脂肪のことが多いようです。
内臓脂肪は運動不足の人に多く、中年以降につく傾向があり、成人病の原因となる危険なものです。1度ヤセて、リバウンドしたときつく脂肪も、ほとんどがこの内臓脂肪です。ある程度必要な皮下脂肪と違って、人間にとって無用ともいえる内臓脂肪をいかに落とすかが、かくれ肥満からの脱却の大きな柱といえるでしょう。

「体重を減らすこと」と「脂肪を減らすことは大きな違いがある

肥満とは、「体重が重いこと」ではなく「体の中の脂肪が多い状態」です。ですから、肥満を解消しようとするなら、体重そのものよりも、この脂肪の量を減らすことに目を向けなければ意味がありません。
従来、体脂肪率を正確に測定するためには、全身を水中に沈めて身体の比重を計る非常に大がかりな装置が必要で、そのため、一般の人が自分の体脂肪率を計るチャンスはなかなかありませんでした。
そこで、ノギスのようなもので皮下脂肪をはさみ、その厚さから体脂肪率を推定するのが一般的な方法でした。もちろん、これではごく大ざっばな体脂肪率しかわかりません。
しかし、ここ数年、簡単に測定できる体脂肪率計が普及しはじめています。体重計のよぅに上に乗って計るものと、両手で握るハンドル状のものがありますが、両方とも、しくみとしては、体に微弱な電流を通し、その電気が伝わる速度で体脂肪率を割り出すというものです。この体脂肪率計の出現は非常に画期的で、今までCTスキャンで輪切りにでもしなければ目にすることのできなかった自分の体の中身の情報を、体脂肪率という数値に置き換えて見ることができるようになりました。

体脂肪率計の精度は、運動後や、体調不良で体内の水分のバランスが崩れている場合など、状況によっても多少測定値に誤差が出るので、まだ100% 正確に計れるというわけにはいきません。それでも、不可能だった家庭での脂肪率測定が容易になったことで、今まで発見されずにいたかくれ肥満がわかるようになったのは、たいへん喜ばしいことといえるでしょう。
それまでは、肥満というと、誰もが体重のことばかりを問題にしてきました。したがって、見かけの体重が重くないかくれ肥満は、まったく問題にされていませんでした。しかし、体重ばかりを減らそうとする考え方が正しくなかったことは、たくさんの間違ったダイエットの流行や、その結果として体をこわしたり、すぐリバウンドしてしまった人たちによって証明されてきたのです。
たとえば、ボクサーの減量を真似たダイエット。てっとり早くヤセられるダイエットの代表のように思われてきましたが、これなどは過激な減食に加え、サウナで汗を絞り出すという、鍛え抜いたボクサーでさえ苦しむ方法です。
こんなムチャなことを、ふつうの若い女性がやってのけるのです。また、こんにゃくや卵だけしか食べずに、体に必要な栄養のことなど何も考えない「○○だけダイエット」も同じことです。かごんこういったダイエットは、程度によっては自殺行為と言っても過言ではありません。
体重さえ減ればいいという乱暴な考え方に立ったダイエットでは、いつまでたっても本当の敵・体脂肪を退治することはできません。
特に、かくれ肥満の場合、脂肪率が高いのであって、体重は重くないのですから、体重を減らせばいいとばかりに食事を減らしたり、水分を出したりすれば、必ず体をこわしてしまいます。
また、脂肪は減っても、それと同時に筋肉や水分も減るので、脂肪率はあまり変わりません。「でも、体脂肪だけ減らすなんて都合のいいこと、できるの?」と思われる方、大丈夫です。
問題は体重ではなく、体脂肪であることを理解して、脂肪の性質を見極め、脂肪とどうやってつき合っていけばいいかを知れば、かくれ肥満を解消するのは、そんなに難しいことではないのです。