高カロリーで高脂肪食という肥満しやすい環境下のアメリカでも、白人女性の肥満者は33 ％であるノのに対し、黒人女性は52％もいるそうです。実はこの20 ％ 近い差は、人種や民族間に存在する遺伝が関与しており、日本人に保有者が多い倹約遺伝子も、飽食という環境下で肥満を起こす、数多くある肥満遺伝子の1つなのです。現在、遺伝子の解明は急ピッチで進められていて、肥満の最大の原因は環境国子よりも遺伝子の関与が強い、というのが専門家のあいだでは通説になりつつあります。
肥満 遺伝子 との関連性
肥満になる環境因子が少ない状況でも必ず肥満は存在します。さまざまな遺伝子があるからこそ、いろいろな環境を乗り越えられ、私たち人頬は淘汰されずに生き続けてこられたのです。
肥満と遺伝子の関連性は、一部の研究によって示唆されています。遺伝子は体重や体脂肪の調節に関与する様々な要因を制御する役割を果たしており、特定の遺伝子変異が肥満リスクに関連していることが示されています。
例えば、特定の遺伝子変異は食欲や満腹感を調節するホルモンや神経伝達物質に影響を与えることがあり、これが食事摂取量や体重管理に影響を与える可能性があります。また、代謝速度を調節する遺伝子の変異も肥満リスクに関連しているとされています。
ただし、肥満は単一の遺伝子変異だけで説明できるものではなく、環境要因や生活習慣も大きな影響を持ちます。遺伝子と環境の相互作用が肥満の発症や進行に影響することが示唆されています。
遺伝子と肥満の関係性は複雑であり、他の要因と絡み合って影響を及ぼすことが多いため、個々のケースにおいては遺伝子のみで肥満リスクを評価するのは難しいですが、遺伝子研究は肥満の理解や予防、治療の向上に役立つ可能性があります。